N響メンバーによる定期サロン 第7回

イベント情報
演奏家 |
ヴァイオリン ヴィオラ チェロ |
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開催時刻 | 2023年 02月 12日 (日) 開場 14:30 開始 15:00 |
お問合せ先 | 渋谷美竹サロン/株式会社ILA |
03-6452-6711 | |
070-2168-8484 | |
info@mitakesayaka.com |
当日プログラム
シマノフスキ:弦楽四重奏曲第1番 ハ長調 Op.37
ブラームス:弦楽五重奏曲第1番 ヘ長調 Op.88
ブラームス:弦楽五重奏曲第2番 ト長調 Op.111
*プログラム等は、やむを得ない事情により、 変更になる場合がございます。
チケット情報
当日、現地払いでお願いいたします。
5,000円(一般・全席自由席)
4,500円(会員・指定席あり)
2,500円(学生・全席自由席)
※会員のご紹介はこちら
→http://mitakesayaka.com/regular-member
2022年度、N響メンバーによる定期サロン最終回!
ブラームス、シマノフスキ、ラフマニノフによって導かれる室内楽の魅力 2022年度、N響企画も7回目となり、最終回となった。
クラシック音楽のコンサートではソリストへの関心が高く、室内楽を聴く機会はどちらかというと少ない。しかし、 クラシック音楽のファンとしては、 室内楽にももっと関心をもってよいのではないのか。特に、 サロンで体験する室内楽では、繊細なニュアンス、 ハーモニー等々を生々しくダイレクトに体験できる。 今最終回を飾るメンバーは、シリーズの衝撃的な始まりであった「
フーガの技法」全曲を演奏し、 その醍醐味を味わわせてくれたメンバーが再登場である。 さらに今回は、三国レイチェル由依氏のヴィオラが華を添える。
東京藝術大学院音楽研究科修士課程2年に在学兼22年7月よりN HK交響楽団団員となったフレッシュな若手だ。 プログラムはラフマニノフ、
シマノフスキの弦楽四重奏曲とブラームスの弦楽五重奏曲というフ ルコース。
ロシアの芸術を育てたといっても過言ではないラフマニノフの輝かしくみなぎる芸術性。
第1次世界大戦中、ヨーロッパの激動の真っただ中に描かれたシマノフスキの苦悩と解 放。
妥協を許さぬブラームスが自ら認めた二つの弦楽五重奏曲に秘められた情熱と諦め。
室内楽の魅力をたっぷりと楽しむことができるプログラムである。今回はプログラムノートを特別に事前に入手したので、
以下に紹介する。
~~~~~~Program notes~~~~~~
ラフマニノフ:弦楽四重奏曲第1番より「ロマンス」ラフマニノフは幼少期は恵まれて育つも9歳の時に一家が破産、
両親が離婚してしまう。 それでも豊かな才能をもっていたラフマニノフは奨学金を経て音楽 院に入学し勉強に励むこととなる。 この作品はまだ彼がモスクワ音楽院に在学中の作品で未完成である ものの、彼がのちに発表する数々の名作品同様、 哀愁をおびたメロディーと素敵な和声の数々…2月の寒い時期、 暖かなサロンの空間で冷たさの中に温もりがポッっっとあるラフマ ニノフの音楽に浸ってください。
シマノフスキ:弦楽四重奏曲第1番 ハ長調 Op.37この曲が作曲された1917年、ヨーロッパは激動の真っただ中。
第1次世界大戦中に、ロシア革命がおき、 各民族の自決権を認める宣言をソヴィエト政権が発したことにより 、ドイツ・ オーストリアの支配から逃れる道ができたポーランドは、 戦争終結後独立したのだった。 この作品は1922年ポーランド文化賞コンクールにて1位をとり 、1924年に初演されている。 ショパンやワーグナー等ロマン派の音楽からの脱却に加え、 時代背景、ストラヴィンスキーに会う等刺激的なヨーロッパ旅行、 そしてキリスト教、古代ギリシャやイスラム、 オリエントの勉強等、 この作品には彼自身が持つ経験がふんだんに詰まっているように私 は感じる。メロディーがわからない時間も、 全員が調性が違う一見混濁した音楽も、全ては純粋な響きC- durで全てが泡のように弾け、 まるで今までの混乱が全て晴れるような最後... たまらないものになるだろう。
ブラームス:弦楽五重奏曲1番 ヘ長調 Op.88
ブラームス:弦楽五重奏曲 第2番 ト長調 Op.111この2つの作品はブラームスにとってとても大事な作品だ。
第1番はクララ・シューマンに対し「私の最高の作品の1つ」 と手紙を残し、また「 このような美しい曲を私から受け取ったことはないでしょう」 と出版者ジムロックに送っている。 第2番に至ってはジムロックに対し「 この作品で私の音符はお別れにできます」と書き、 翌年から終活を始めるのである。
どちらもブラームスの作品には珍しく楽天性がみられるが、内に秘められている想いは少々違うように感じる。 第1番は明るさにも内なる情熱を秘め、重々しさもあり、 まだパワーに満ち溢れているのに対し、 第2番は自身が求めても求めてもどうしても届かない頂きがある事 に気付きもがき、必死で抵抗し、様々な様式、 アイディアを出しつくしたように思えるのだ。 今回この2作品を並べて聴くことで皆さまがどのような感想を持っ ていただけるのか、楽しみでならないし、 演奏者も弾き終えた時の感覚が、 感性がどうなるのか想像するとワクワクがとまらない。(三又 治彦)
<プロフィール>
三又 治彦(MIMATA Haruhiko)Violin
桐朋学園音楽学部演奏学科卒業。
倉冨 亮太(KURATOMI Ryota)Violin
東京藝術大学音楽学部弦楽科を首席で卒業。在学中に福島賞、
村松 龍(MURAMATSU Ryo)Viola
6歳よりバイオリンを始める。
1995年第49回全日本学生音楽コンクール東京大会小学生の部
2003年第4回大阪国際コンクール高校の部3位(1位、
三国 レイチェル 由依(MIKUNI Rachel Yui)Viola
第23回コンセール・マロニエ21入選。
小畠 幸法(KOBATAKE Yukinori)Cello
NHK交響楽団チェロ奏者。
東京藝術大学音楽学部卒業。同大学院音楽学部修士課程修了。
これまでに金木博幸、間瀬利雄、苅田雅治、山崎伸子、
マスタークラスをW.ヴェッチャー、P.ドゥマンジェ、D.
キジアーナ音楽院国際アカデミー、