【第十夜】佐藤彦大サロンコンサート-Piano-

イベント情報
演奏家 |
ピアノ 佐藤 彦大 |
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開催時刻 | 2017年 10月 06日 (金) 開場 未定 開始 19:00 |
お問合せ先 | 美竹清花さろん/株式会社ILA |
070-2168-8484 | |
info@mitakesayaka.com | |
http://mitakesayaka.com |
「彼は演奏家としての独自の音色を確立した」
桐朋学園大学学長で音楽評論家でもある梅津時比古が、
佐藤彦大さんの演奏に関して、まさに「我が意を得たり」 のように、以下のように毎日新聞に寄せています。
日本音楽コンクール優勝から9年、スペインのマリア・カナルス国際コンクールで1位を得た佐藤彦大がリサイタルを開い た(6日、浜離宮朝日ホール)。
久しぶりに聴く佐藤の音色の変化に驚かされた。第一曲、ラフマニノフ《コレルリの主題による変奏曲》冒頭の主題提示を、 佐藤は、極めてやわらかい、 脱力しきった音でひそやかに響かせる。まるで、 窓を控えめに開けてそっと世界をのぞくように、 そして見えた世界の不思議に驚くように。その後、 音のやわらかさは神秘的なベールとなり、その中で、 各声部がはっきりと浮かび上がる。 しかも声部は分離することなく作品の核に常に溶け込んでゆく。 それはテクニックが炸裂(さくれつ) する快速の流れになっても揺るがない。そのため、 不安と夢に打ち震えるラフマニノフの感性がこまやかに描かれ、 やがて祈りに昇華してゆく。
続いてラヴェル《亡き王女のためのパヴァーヌ》。ここに小品を組み込むプログラミングに驚いたが、 佐藤が獲得した、 核を持ちながらも柔らかさを極めた音色によって、 この曲が品性のある悲しみとして、外面的な衣装を脱ぎ、 美しく伝わってくる。選曲の意図が分かった。 彼は演奏家としての独自の音色を確立したと言っていい。
後半のシューベルト《ピアノ・ソナタ第14番イ短調》にも無論、この音色は最大限に生き、 息をひそめて世界を見つめるシューベルトの繊細さが感じられる。 一方、 それに対抗するシューベルト特有のデモーニッシュな音に関しても 、十分にその志向性が見てとれる。 リストによるシューベルトの歌曲の編曲、《 糸を紡ぐグレートヒェン》《魔王》に関しては、 さらに複層的な表現が可能なのではないだろうか。 また最後のリスト《メフィスト・ワルツ第1番「 村の居酒屋での踊り」》では、かつての佐藤の、 生のピアノの音が顔を出してしまったところもある。 佐藤が新たに獲得した音色の魅力を、 今後も聴き続けたいという思いを強く抱いた。【特別編集委員 梅津時比古】
ここでは、プログラムにはなかったので当然ですが、モーツァルトについてはまったくふれていません。 わたしが個人的に彼の演奏で、特別に聴いて欲しいのは、 まずモーツァルトです。先日、 美竹清花さろんにいらっしゃった佐藤彦大さんが弾いたモーツァル トのイ短調ソナタ! かつて、バレンボイムと、 サバリッシュのモーツァルトのライブを聴いたことのあるわたしで すが、そのときの演奏を凌ぐすばらしいモーツァルトでした。 こんなモーツァルトは聴いたことがない、それほどすばらしい音、 そして響きでした。皆さん、この機会を逃さず、 佐藤彦大さんの演奏を聴きに来てください。(美竹清花さろん主催・渡辺公夫)
2008年第17回国際音楽祭「ヤング・プラハ」にソリストとし
主要なリサイタルは2011年東京文化会館小ホール、2013年
録音ではライヴ・ノーツより2012年「Hiroo Sato plays 3 Sonatas」、2017年「Hiroo Sato Piano Recital」(レコード芸術準特選盤)の2枚のアルバムをリ
2017年9月より母校、東京音楽大学非常勤講師として後進の指
[受賞歴]
2004年第58回全日本学生音楽コンクール高校の部全国大会第
2006年第1回野島稔・よこすかピアノコンクール第1位
2007年第76回日本音楽コンクール第1位、併せて野村賞・井
2010年第4回仙台国際音楽コンクール第3位
2011年第5回サン・ニコラ・ディ・バーリ国際ピアノコンクー
2015年第21回リカルド・ビニェス国際ピアノコンクール第2
2015年第36回霧島国際音楽祭賞受賞
2016年第62回マリア・カナルス・バルセロナ国際音楽コンク