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藤田真央の"音の美しさ"の秘密に迫る【Q&A】

藤田真央の

第27回クララ・ハスキル国際ピアノ・コンクールに優勝され、
一挙に世界的な注目を集めている現在19歳のピアニスト、藤田真央さん。

美竹清花さろんでは4月よりスタートした"123シリーズ"の記念すべき第一回目の演奏会に登場してくださいました!

そんな藤田真央さんの最大の魅力とも言える”類い稀なる研ぎ澄まされた美しい音”
そして、自然と現れる虹のような"多彩な色彩感と表情"───

本日2018年5月23日より待望の3rdアルバム「passage」が発売されるなど、
その勢いはとどまるところを知らず、聴衆を魅了し続けています。

そんな19歳の若き天才ピアニスト、藤田真央さん(以下敬称略)に音楽についてから日常まで、
その心のピュアさがそのまま映し出されるような音楽や、彼の人間的魅力に迫りました。

 

 

 

 

 

ごく自然に、偶然出会ったピアノが大好きに!

 

ー クラシック音楽を好きになったきっかけは何ですか?

 

藤田もともとずーっと好きでピアノをやってきたということもありまして、とくに意識をしたことはないのですが…きっかけといわれると…まぁ、なんですかね!(笑) 昔からやっていたので、名残というか、その延長みたいなものですね。今もピアノが凄く好きです。もし、ジャズをやっていたらジャズの演奏家になっていたかもと思いますし、ポップスをやっていたらポップスの演奏家だったかもしれません!

 

スタッフそういうものなのですね!
ちなみに、何歳くらいからピアノをやられていたのですか?

 

藤田3歳です。

 

スタッフそれは…覚えていないかんじですね(笑)

 

藤田そうですね!(笑)
もともと一歳からリトミックの音楽教室には通っていましたので、その流れでピアノを習い始めた感じです。みんなそんな流れでピアノをやっているものだと思っていましたので、幼稚園の頃、やっていない人がたくさんいて、しかもこんなに長い時間練習しているのは僕だけなんだと、驚きました。(笑)

 

スタッフそうですか、ちなみに3歳でどのくらい練習していたんですか?

 

藤田いや〜そのときは、プロになるとか、音大に行くとか、全然そんなこと意識していませんでしたので、何時間もやっていたわけではないと思いますよ!1時間、2時間とか…。

 

スタッフですが、小さいころの1時間、2時間は、長いですよね。ちなみに藤田さんのお母様は幼い頃からピアニストにさせたいと思われていたのですか?

 

そんなことはないですね。たまたま近くに音楽教室があったからで、リトミックも、音楽にあわせて体を動かすのが良いと思って、情操教育の一つという意識でした。

 

スタッフなるほどですね! 偶然だったんですね。

 

 

 

 

類稀なる集中力から生まれる真の"音"の秘密



ー ご自身で演奏家として生きて行こうと思ったきっかけは何ですか? また、もしピアニストにならないとしたらどんな自分の姿を思い浮かべることができますか?

 

藤田そうですね〜、まぁ、コンクール…コンクールですかね! コンクールでなにかしらの賞をとったりすると、人前で演奏させていただく機会がありますので、それがきっかけです。まぁ、好きなことをそういった仕事に繋げることができるというのは、非常に恵まれたことだなぁと思っています。

 

スタッフ人前で演奏したりするのはお好きなのですか?

 

藤田はい!好きです。お客様の反応を感じたり、小さい子に喜んでもらえたり、ちょっと最近になって怖さも感じるようになりました。(笑)

 

スタッフそうなんですか!(笑) そんなふうに見えませんが…。

 

藤田いえいえ、古典なんか、とくにモーツァルトなんかは、提示部、展開部、再現部などもありますし、ロンド形式でABABみたいな何回もでてくる場所みたいなのもあるじゃないですか。そういうことも頭にしっかり入れて、本当に緻密な練習を重ねていかないと、本番で何が起こるかわかりませんので…。ですから、そういった怖さは、回数を重ねていくうちに知ってきました。ですけど、やっぱり、人の前で弾きたいというのはありますね! 目立ちたいというのは…ありますよね!(笑)

 

スタッフいまお話を聞きながら感じたのですが、藤田さんと実際にお会いしてお話しする印象というのは、一見ふわっ~としておおらかな柔らかい印象なのですが、CDや演奏を聴かせていただきますと、音がすごく鮮烈で、楽曲に対してはかなり厳しく緻密なものを持っているのではないかな、と感じています。

 

藤田そうですね、現在、師事している野島先生が「全ての音を自分が支配して、どういう音を自分が出したいのか、すべての指にそれが伝わり、すべての響きとしてそうなるように」とご指導いただきますので、意識しています。難しいですけどね!ですが、そうならないといけないかな、と感じています。

 

 

スタッフなるほど。たしかに、藤田さんだけの"音"ってあると思うんですよね!初めて藤田さんの演奏に触れたのはCDだったのですが、音が綺麗なのはもちろんです。ですが、音がきれいなピアニストはたくさんいると思いますが、それだけではなく、音に対する集中力がすごいなぁ~と思いました。研ぎ澄まされたきれいな音ですよね。それだけではなく印象的だったのは、“倫理観”とでもいったらよいのでしょうか…清潔で浄い厳しさというか、すごくそういうものを感じました。

ですから、このようにお目にかかって、ふわ~っとあたたかい柔らかい印象なのですが、あの厳しい美しさというか、集中力というか、あれはなんなんだろうなと感じています。

それと、普通、芸術家というと、歳をとればとるほど円熟味が増したとか、60歳70歳ではまだ若いとか、最晩年の演奏がどうのこうのとか、そんなことが言われることがありますが、藤田さんのように、“みずみずしい若さ”がこんなに魅力となっている演奏ってすごい、そんな衝撃を受けました!

個々の曲それぞれが面白いということは当然あるのですが、“みずみずしい若さ”というものが、こんなに魅力になっているピアニストの方って他にいらっしゃるのかなぁ~? と、そんなふうに感じました。脱線しました!すみません、まとめますと…(笑) 演奏する上で凄まじい集中力を発揮されているようにお見受けされるのですが、その集中力はどこからきているのでしょうか? 演奏する前に気をつけていることなどがありましたら教えていただきたいのですが…。

 

藤田常に“音”のことは意識しています・・・・どう響くか…、もちろん、人それぞれだと思います。例えばテクニックをバーっと披露するような弾き方で喜ばれるお客様もいらっしゃいますが、やっぱり自分はテクニックの前に、音がきれいであるかどうか、音がどれだけ魅力的であるかどうかを考えて弾いています。例えば、次はこういう音を出そうとか…。モーツァルトなんて本当に音数が限られていますからね!ですから、バシッと決まった音を失敗してしまうと、その和音ではそういった音がもう出せなくなってしまいます。ですので、音を出す前に必ず100%こういう音を…というのを作っていますかね。それから、"集中力"は昔から課題にしていました!すぐに集中が切れちゃうので…。

 

スタッフそうなんですか!ですが藤田さんの集中力というのは、並みの集中力ではないようにお見受けします。

 

藤田そうですかね?!クララハスキルのコンクールのときに、セミファイナルでの自分の本番は夜の23時過ぎで、そんな夜遅くに自分の本番があったことは初めてでした(笑) 
順番が一番最後だったというのもあったのですが、結局、終わったのは0時過ぎになってしまいました。そんなとき、緊張よりも集中が持つかな…というのがありましたね!そのときのプログラムは、はじめにモーツァルトのピアノ四重奏を演奏し、そのあと自分のソロが1時間というのが課題だったのですが、最初から最後まで、本当に集中して気を抜かないように、というのをやっていました
…はい、思っていればできると思います!

 

スタッフいやいや、思っていてもなかなかできませんよ。(笑)
では集中力はずっと課題にしていた、ということだったのですね。


 

 

ピアニストじゃなかったら……学校の先生?!


スタッフ質問は変わりますが、ピアニストにならなかったとしたら、どんな自分の姿を思い浮かべますか?

 

藤田学校の先生!(即答) 別に音楽に関わらなくても、です。本当にもう、先生になりたいなぁー、歴史とか好きなので。
・・・先生も大変そうですけどね、何をしても、親御さんに怒られそうです。



 

スタッフそうですね〜。ちなみにピアノの先生とかではなく、普通に歴史とかの学校の先生でしょうか?

 

藤田そうですね!担任をもちたいです。(アハハ) あっ、それからお医者さんになりたかったですけどね。

若いうちに何かいろんなものに挑戦できるっていうのは、いいですよね。自分は全てピアノにとらわれてしまいましたけど、ピアノやっていなかったら、色々な可能性が広がっていたかもしれないので、それはそれで、面白いですよね。(笑)

 

スタッフなるほどですね!ですが、わたしたちから見るとピアノにとらえられてしまったというより、才能に恵まれて、もう天命のようなものというか…そういうものを感じますけどね。

 

藤田まぁ、そうですね、ピアノがあったからこうなったというか。本当に、どんなめぐり合わせなのかわからないですよね。運があったのかなぁ~なんて思っていたこともありました。

 

スタッフ藤田さん、将来、指揮者なんかいかがですか?

 

藤田指揮は小さいころは興味ありましたね!今はあまり…ですね。ピアニストって、ピアノでいろいろなオーケストラの音を出すようなものですよね。ここはヴァイオリンで、ここは木管楽器で、などなど、そうやって、音作りを自分でできるのが魅力的だと思います。

指揮ですと、いざ指揮台に立ってそれを求めるってなると、もう何十人、何百人がそれぞれいらっしゃるので…やっぱり一人ひとりが、みなさん同じようにできる訳ではないですよね。指揮科の方から、難しいよって言われます。やめたほうがいいよって言われます…。(笑)自分の思っているようには本当にならないからって!

 

スタッフそれはそうですよねー(笑)

 

藤田でも、すごいですよね、プレトニョフですとか、チョン・ミョン・フンですとか、バレンボイムもそうですね、ピアニストから転身した人…!

 

スタッフそうですね!ピアノも指揮もどちらも素晴らしい方もいらっしゃいますよね。藤田さんは現段階では指揮はちょっと…という感じなのですね。ですが10年後、20年後、指揮もやっている可能性はありますよね!(笑)

 

藤田そうですねー(?)クララ・ハスキル・コンクールのときの指揮者でクリスティアン・ツァハリアスというピアニスト兼指揮者が指揮で、ローザンヌのシンフォニックオーケストラと一緒に演奏したのですが、その方の指揮は本当に、とっても良かったですね。今までで一番よかったんじゃないかなと思うくらいです。モーツァルトを演奏したのですが、本当に抑えて抑えてとやってくださって、自分のピアノが鳴るようにバランスを整えてくださいました。指揮者って本当にすごいなぁと思ったのですが、自分がやるというのは…難しいですよね。

 

 

 

音に魅力がある演奏家を目指してーー
たくさんのお客様に演奏を届けたい!

 

ー どんな演奏家さんになりたいですか?

 

藤田そうですね。やっぱり音に魅力があるような、というのを目指したいと思っています!ですが、一番大事なのはお客さまが「また来たいなぁ」と言ってくださることだと思います。あとは…世界中に行ってみたいですね!

 

スタッフそうなんですね。たくさんのお客様に藤田さんの演奏を聴いてもらいたいですよね。クラシック音楽を聴く聴衆の人口自体は増えているらしいのですが。

 

藤田そうなんですか!3%しかいないという記事を読みましたけど…。

 

スタッフ5%とも言われていますね。どちらもあまり変わらないですが。とはいえ、東京では年間2000公演近く開催されていて、プロオケも9団体あり、演奏会の回数もまだ増えているらしいです。

 

藤田えぇー!

 

スタッフクラシックの大ファンでなくとも、ちょっと聞いてみたいという人はたくさんいますよね!その人たちが何かのきっかけでクラシックオタクになってしまう可能性もありますし。(笑)

  

藤田幅広い年代の方々にとって、音楽が助けになることがある、と思っています。ですから、どんな形であれ、なんらかの形で好きになってくれれば・・・と願っています。そんなに敷居は高くないと思うんですけどね。コンサートなんかにも、割とふらっと行きやすいというか…僕なんかはTシャツ短パンでいらっしゃっていただいても何も気にしないですけどね。(笑)

 

スタッフそうですよね! ただ、バイロイトの音楽祭に行ったときに、さすがにTシャツ・短パンのお客様はいなかったですね!(笑)

 

藤田そうですね(笑)本格的な音楽祭になってしまうと…ないですよね! 僕もこの前、ザルツブルク音楽祭に行ってきたのですが、やっぱり身だしなみちゃんとしないと…目立ちますからね、逆に…。ポーランドも2、3回行きましたが、とても良い街でした。街並みから生まれる音楽もありますからね。

 

スタッフそうですね、あっちに行くと音楽が薫ってきます!ヨーロッパの方って音楽に敬意を払っていますよね。伝統の継承という部分で、日本人と知識の量や理解の仕方が全然違うのだと思います。そういったところが身だしなみにもあらわれているのだと思います。

 

 

 

歴史の深いクラシック音楽だからこそ生まれる感動

 

ー クラシック音楽の魅力とは何だと思いますか?

 

藤田まぁ…入りやすい、というところじゃないですか?! クラシック音楽もオーケストラの作品や現代曲など、かなり広いですけどね。
ですが、バッハなんかは、もう1750年に亡くなっていて、もう300年近く経っているわけであって、作曲家が亡くなってからそれだけの月日が経っているのにも関わらず、みなさんが知っていて、今も愛され続けているということは、やっぱり何か魅力があるからだと思います。

モーツァルトにしろ、ベートーヴェンにしろ、こんなにも後世に受け継がれている…。しかも、コンクールの課題にもなっているという…やっぱりそういった歴史が素晴らしいことだと思いますよね。楽譜をとおして弾く、聴くというのはもちろんですが、その方々の歴史もありますのでね。・・・そういったところなんかも魅力だと思います。

 

 

 

スタッフそうですね! ポップスとかジャズではありえないですからね、300年以上前の音楽というのは。

 

藤田はい、それから派生した音楽ですからね。すべての音楽の起源がクラシック音楽ですから…。ですので、もしそれが廃れつつあるとしたら、とても残念なことです。

 

スタッフ廃れつつ、あるんですかね〜? そう思いたくはないのですが…。

 

藤田うーん、どうなんですかね〜やっぱり、小学校、中学校でも、クラシックの音楽の話をする人というのは、ほとんどいませんでした。まぁ、知ってたとしても佐渡さんの時代の「題名のない音楽会」とかくらいですかね。

例えば、スポーツとかでしたら国からの支援がありますよね。ですが、音楽では、国際コンクールが強いロシアや韓国、中国などでは国が本当に支援していますよね…どうか日本も…!(笑)

例えば、つい最近、オリンピックをやっていたではないですか。日本の金メダリストとしては、羽生選手と小平選手なんかが活躍されましたよね。小平選手のスピードスケートなんて早く駆け抜けた方が勝ち、ですからわかりやすいですが、フィギュアスケートの採点なんかは、どのように採点しているのか、わからないですよね。クラシック音楽もある意味で素人にはわかりにくい面がある抽象的なものですが、スピードスケートのように、誰が見てもわかるようなもの、支持されるようなものに近づける工夫が必要なのかも知れませんね。

 

スタッフそうですね、たしかに…。わかりやすいスポーツも抽象的な音楽も、価値は一緒だと思います!結構わたしなんかは、わかりやすいスポーツよりも、抽象的でわかりにくい音楽のほうが逆に感動したり、印象に残っていたりすることもあります。「なぜなんだろう!」って思うこともありますが、具体的でわかりやすいものより、抽象的でわかりにくい感動のほうが、死ぬときに覚えているような気もしたり…(笑) 例えば、映画とかって感動して泣いたりしますが、1年前に観た映画を1年後に覚えているかといったら…忘れてしまったりするではないですか!音楽はちょっと違い、いつまでも感動が残っていることもありますね…。

 

藤田あ〜なるほど、はい!

 

スタッフそれこそ逆だと思うんですけど…わかりやすく具体的なもの、しかも一見楽しいものというのは、結構忘れちゃうことがあるような気がします。なんかよくわからないけどよかった演奏会、感動したもの、というのは、ただ楽しかった演奏会よりも、“感動の重み”が残ったりしますね。

 

藤田なるほど〜、素晴らしいですね!

 

スタッフいやいや…
ですが音楽にはなかなか正体がわからないからこそ面白い、感動するというのがありますね。わからないからこそ驚き、追究していく、それがまた面白いのですよね…。

 

 

 

なんとしてでも今一番聴きたいピアニスト!

 

ー 好きなピアニストや目指しているピアニストがいらっしゃったら教えていただけますか?

 

藤田そうですね、グレゴリー・ソコロフですかね〜ロシアのピアニストです。やっぱり、音が綺麗です。今年は是が非でも行こうと思っていて!マスタークラスに参加し、(夜はコンサートがあるのですが、)そこにソコロフがいらっしゃるので、そこで聴いてみようと…。ソコロフ聴きたさに、そのマスタークラスに参加し、なんとか行けるという…すごい楽しみです、3月ですが…。

 

スタッフ日本には絶対来ないですからね、飛行機が乗れないのでしたっけ?

 

藤田いや飛行機には乗れるみたいですけど、なんか12時間以上乗ってしまうと自分の体調管理がどうのこうの…すごいこだわりがあるみたいです。(笑) 行くとしても船だそうで、やはり陸地じゃないとダメっていう…いつも電車移動ですし。ですからヨーロッパでしか演奏会がないようです。

 

スタッフ:伝説のピアニストですね。

 

藤田ですね。(笑)

 

スタッフ昔もそういう演奏家がいたようですね、あんなに重たい飛行機が空を飛ぶはずはないとか…?

 

藤田ムラビンスキーですかね?1972年くらいからでしたっけ、レニングラードフィルですね!やっぱりムラビンスキーのチャイコフスキー、ショスタコーヴィチはすごいですよね!直立不動!すごい魅力的な指揮者ですよね。リハーサルもすごい緻密にやっていたみたいです。

 

スタッフムラヴィンスキーは1970年代に4回来日しましたが、その前半の2回は行きました。すごく感動しました。オーケストラをここまで訓練できるのかと、究極的な緻密なアンサンブルでした。それからチェリビダッケ、カルロス・クライバーなんかも、日本公演のほとんどに行きました。最後のウィーン国立歌劇場…これはもう言葉にならないほどのクライバーの魅力が放たれました。

 

藤田そうなんですか!クライバーもリハーサルがとても厳しかったようですね。けど背が高くて紳士的で…。

 

スタッフかっこいいですよね!!

 

藤田そう、かっこいいです!

 

スタッフクライバーは聴くだけでなく、観るものですよね、観る芸術、舞踏といってもいい華麗なる指揮の姿。(笑) 何を指揮しても絶品で、やはりとんでもない魅力的な指揮者でしたね。とにかくチケットを手に入れるのが大変でした。電話がつながってその15分後には完売!

 

藤田 優雅ですよね。

 

スタッフ薫ってくるようです。チェリビダッケも…すごかったです。

 

藤田チェリビダッケ…!!

 

スタッフ芸大のオケに来たとき、2時間チューニングだけで終わってしまったという伝説もありますね。

 

藤田え───!

 

 

 

練習の合間に、我が家の猫ちゃんに癒されます。

 

ー 練習以外の時間では、どんな過ごされ方をしていますか?

 

藤田ペットの猫ちゃんが3匹います。そのうちの1匹がすごく懐いてきてくれてるので、童心にかえって、ずっと遊んでますね。(笑)ピアノだけ弾いていても、入れ込んでしまうので。

 

スタッフお名前はなんておっしゃるのですか?

 

藤田ウォンちゃん、キョンちゃん、シンちゃんです。男の子、女の子、男の子ですね。キョンちゃんは、ちょうどアマちゃんがやっていたので、アマちゃんのお母さん役が小泉今日子さんだったので、それで、キョンちゃん。今のはちょっと、触れない方がよかったかも?(笑)

 

 

 

様々な作品にチャレンジしたい! 

 

ー 藤田さんはまだお若いですが、今後どんなチャレンジをしていきたいですか?

 

藤田まぁ~まずはレパートリーをいっぱい増やせたらいいかなと思いますね。いろいろな難しい曲がいっぱいありますから。バルトークのコンチェルトですとか、プロコフィエフの5番も難しいですし…。

 

スタッフそうなんですね!プロコフィエフでしたら1番、2番も好きですが…。

 

藤田そうなんですね!1番もいいですよね〜古典みたいな感じで、2番は…やっぱり難しいですよね、初めて聴いたときなんか、なんだこりゃ〜と思ったくらいです。3番はもうやりましたので…5番もおもしろいですよね!あとは、ベートーヴェンのディアベリの変奏曲Op.120も弾きたいです。1時間以上もかかる曲ですが、ディアベリという作曲家がいて、その方の曲を用いた32の変奏がずーっと1時間以上続いていくという…。

 

スタッフなにか、ゴールドベルクのようですね!

 

藤田ゴールドベルク以上ですね!ゴールドベルクは、寝るために書いた作品ですから、別に寝てもよいのかなって思いますけど…(笑) ですが、ディアベリは非常に難しい作品ですね、ベートーヴェンの本当に後期の作品ですから。その曲に挑戦してみたいと思っています!

 

スタッフどんな点が魅力的だと感じているのですか?

 

藤田最初にテーマがあるのですが、その次の変奏がその最初のテーマの3倍以上くらいの時間をかけて第一変奏があるのです。それと、和音、和声も簡単な和声が使われておりますが、非常に重く、重厚さを感じさせるような音使いなのです。

 

スタッフそうですね!ベートーヴェンはそこがすごいなと思います。モーツァルトはもちろん音がシンプルで透明感があって素晴らしいのですが、ベートーヴェンは透明感があるのに音が重厚というか…深さがあるのが、素晴らしいですね。

 

藤田そうなんですよね、もうなんか、普通の和音なんですけどね。

 

スタッフそうなんですよね、普通なんですけど、なんでなんですかね…!(笑)

 

藤田最後の32番のソナタもそうですけど、普通の簡単な和声進行なんですけどね…ずっしりとした重みを感じられるような、曲ですよね。そういえば、ザルツブルク音楽祭のとき、シフが組んでいたプログラムが面白かったです。まず最初にゴールドベルク変奏曲を弾いて、それから休憩。

 

スタッフ最初にゴールドベルクですか?!

 

藤田そうなんです。休憩後、ディアベリ変奏曲、それからアンコールで32番の2楽章を20分くらいかけて、弾いたっていう…(笑)おもしろいですね!

 

スタッフゴールドベルクだけで1時間以上ですよね。

 

藤田そうですね(笑)ゴールドベルクも1時間以上、ディアベリも1時間以上。すごいですよね。お客さんもすごい!(笑)

 

スタッフわたしゴールドベルクが大好きなんです!ぜひ、いつか弾いていただきたいと願っています。(笑)

 

藤田ここでですか?!面白いですね。ゴールドベルクしか弾かないというか、特化している演奏家もいますよね。アレクサンドル・タローとか、面白いですよね。

 

スタッフチェンバロの演奏もたくさんありますが、個人的に、モダンピアノで聴くゴールドベルクの方が心に染み込む感じがするといいますか。それと、グールドがゴールドベルクという曲の性格を変えちゃいましたね。概念そのものを変えてしまったというか…彼がゴールドベルクの録音を発表し、それが大変な話題となることによって、さまざまな演奏家も取り組むようになり、この前調べたら、今や70種類以上もあるようですね。ですがグールドの晩年のあれ(1981年版)にハマってしまうと、他のが聴けなくなってしまいます。身体がその演奏を覚えてしまっていて、反応してしまうのですよね。

 

藤田グールドって本当にすごいですよね、テクニック的なものも本当にありますけど、その発想、閃きが本当に素晴らしい方ですね。閃きというのは、あの人の情報量は本当にすごくて、すっごい頭が良い方だったそうでした。そのもともと持っている情報と閃き、テクニックが合わさって、とんでもないところ行っちゃったみたいな方ですよね。それがその…良いところばかりにいくはずもない訳なんですけど、それがまた魅力的ですよね〜。

 

スタッフ藤田さんのCDに収録されているタンホイザーもおもしろいですね!!

 

藤田アハハ! 最初すごいテンポですよね〜。

 

スタッフいや〜すごく面白い、大変な魅力です! 一回聴いただけですっかりはまってしまいました。
ワーグナーもとても好きなので、あのプログラムはうれしいです。

 

藤田おもしろですよね、ワーグナーなんかも、歌合戦も出てきますからね!

 

スタッフ是非、ワーグナーを…!(笑)

長くなりましたが、今日は藤田さんの魅力にたっぷりと迫ることができました!
新発売のCDも、これから演奏活動も、とっても楽しみにしております。

 

藤田ありがとうございました!

 

 

 (2018年2月21日美竹清花さろんにて収録。文責、見澤沙弥香、渡辺公夫)

 

 

 

 (2018年4月28日美竹清花さろんにて123シリーズVol.1藤田真央ピアノコンサートより)
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