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坪井夏美&大崎由貴Duo Lapis〜Youth to Wisdom〜年齢でたどる音楽の軌跡 [第1回]若き才能のきらめき

2026年06月27日 [土]
開場14:30 開始15:00
渋谷美竹サロン

出演

ヴァイオリン坪井 夏美
坪井 夏美(TSUBOI Natsumi)Violin
第12回東京音楽コンクール第1位及び聴衆賞、マイケル・ヒル国際コンクール第4位、フリッツ・クライスラー国際コンクール第5位、第81回日本音楽コンクール第3位受賞。
ソリストとして読響、都響、新日本フィル、日本フィル、東響、九響、東京フィルなど多数のオーケストラと共演。
東京芸術大学附属高校、同大学、同大学院修士課程を修了。在学時に安宅賞、アカンサス賞、大学院アカンサス賞を受賞し、大学卒業時に皇居内御前演奏会に出演。
明治安田クオリティオブライフ文化財団奨学生としてウィーン私立音楽芸術大学修士課程を修了。
Chanel Pygmalion Days 2018 アーティスト。 NHK東京FM 「リサイタル・ノヴァ」、NHK Eテレ「らららクラシック」、宮崎国際音楽祭等に出演。 これまでに、原田幸一郎、清水涼子、神谷美千子、漆原朝子、ピエール・アモイヤル、堀正文、パヴェル・ヴェルニコフ、樫本大進の各氏に師事。
ベルリンフィルハーモニー管弦楽団・カラヤンアカデミーを修了、同管弦楽団の公演に100公演以上出演。
現在、東京フィルハーモニー交響楽団アシスタントコンサートマスターを務める。

大崎 由貴(OSAKI Yuki)Piano
広島市出身。
第18回東京音楽コンクールピアノ部門第2位(最高位)。 第5回アルコバッサ国際室内楽コンクール(ポルトガル)最高位、併せてポルトガル作品賞受賞。
ソリストとして東京交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団、群馬交響楽団、大阪交響楽団、広島交響楽団等のオーケストラと協演。
定期的にソロリサイタルを行う他、弦楽器や管楽器奏者とのアンサンブルでも精力的に活動し、バロックから現代に渡るまで幅広いレパートリーを開拓している。
広島大学附属高等学校卒業。東京藝術大学音楽学部をアカンサス音楽賞、藝大クラヴィーア賞、同声会賞を受賞し卒業後、渡欧。ジャック・ルヴィエ氏に師事し、ザルツブルク・モーツァルテウム大学修士課程を首席で卒業後、同大学ポストグラデュエート課程を修了。
令和2年度文化庁新進芸術家海外研修員。
現在、愛知県立芸術大学ピアノコース、東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校にて非常勤講師を務める。
website : https://www.yukiosakipianist.com

プログラム

モーツァルト(22歳):ピアノとヴァイオリンのためのソナタ 第22番 イ長調 K.305
ウェーベルン(27歳):ヴァイオリンとピアノのための4つの小品 Op.7
シューベルト(29歳):ヴァイオリンとピアノのためのロンド ロ短調 D.895
ラヴェル(22歳):ヴァイオリン・ソナタ(遺作)
R.シュトラウス(23歳):ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 Op.18

チケット情報

<募集スケジュール>
美竹会員 4/10(金) 12:00〜
一般募集 4/13(月) 10:00〜

当日、現地払いでお願いいたします。

5,000円(一般・全席自由席)
4,500円(会員・指定席あり)
2,500円(学生・全席自由席)

※会員のご紹介はこちら
https://mitakesayaka.com/members/

★8Fラウンジにてウェルカムドリンクとお茶菓子をご用意しております。

お問い合わせ先

主催渋谷美竹サロン/株式会社ILA
03-6452-6711
070-2168-8484
info@mitakesayaka.com

作曲家たちは、何歳のときにこの作品を書いたのか?
「Youth to Wisdom ―年齢でたどる音楽の軌跡―」第1回に寄せて


「この美しい音楽は、作曲家がいつ、何歳のときに生み出したものなのだろうか」と思うことが、しばしばある。
ベートーヴェンやブラームスの後期作品を聴いていると、「ああ、人生を積み重ねてきた深さがあるなあ」と感じる。
モーツァルトには、若い時代にも晩年にも一貫した純真な美しさがあるが、それでもその人生の折々にあった出来事や感情が、どこかに滲んでいるように思われる。

いつだっただろう。
当時18歳ほどの、たいへん才能あるピアニストの演奏を聴いたとき、「若さがそのまま武器になっている。なんて大胆で、人を惹きつける演奏なのだろう」と、猛烈な衝撃を受けたことがあった。
だから、若いから未熟だとか、年を重ねているから素晴らしいとか、そう単純に言えるものではない。
それぞれの時期にしかない魅力があり、それを感じ取れることこそが素晴らしいのだと思う。

坪井夏美さんと大崎由貴さんによるデュオ・リサイタル「Youth to Wisdom ―年齢でたどる音楽の軌跡―」は、まさにそうした作曲家の人生を通じた音楽のドラマを、たいへん魅力的な視点から浮かび上がらせてくれる企画である。

第1回「若き才能のきらめき」に集められた作品は、いずれも作曲家たちの20代の仕事だという。
モーツァルト22歳、ウェーベルン27歳、シューベルト29歳、ラヴェル22歳、R.シュトラウス23歳。
20代、とひとくちに言っても、それは単に若いということではない。
感受性の鋭さがなお世界に向かって大きく開かれ、同時に自分だけの語法を獲得しようとする緊張が、最も純粋なかたちであらわれる時期でもある。
音楽には、その年齢にしかない切実さのようなものがある。
しかも興味深いのは、若さといっても単なる未成熟では決してないことである。
モーツァルトにはすでに人を惹きつけてやまない自然な気品があり、シューベルトには抒情の翳りがある。
ラヴェルには洗練の芽が見え、R.シュトラウスには才気のほとばしりがある。
そしてウェーベルンには、後年へとつながる凝縮された美意識がすでに宿っている。
若さとは、未完であると同時に、未来のすべてを予感させる時期でもあるのだ。

こうした作品群を、作品への深い理解としなやかな感性をもつ二人が、どのように描き分けるのか。

この“Duo Lapis(デュオ・ラピス)”と名付けられた坪井夏美さんと大崎由貴さんのデュオには、ラピスラズリ(アフガニスタン産の紫みを帯びた深い青、瑠璃色と称される貴石)のように静かでありながら、内側から確かな輝きを放つ個性がある。
その音楽は、常に“真実”を追求しようとする姿勢に裏打ちされている。
前シリーズ「ベートーヴェン&シューベルト ヴァイオリンとピアノのためのデュオ作品全曲演奏会(全5回)」でも、作品の精神に真摯に向き合おうとする、ひたむきで誠実な意志が鮮やかに感じられた。

坪井夏美氏は、2023年3月までベルリン・フィルハーモニー管弦楽団カラヤン・アカデミーに在籍し、同団公演に100回以上出演。
東京フィルハーモニー交響楽団第1ヴァイオリン・フォアシュピーラーを経て、現在は同団アシスタント・コンサートマスターを務める、いま最も注目されるヴァイオリニストのひとりである。
室内楽からオペラまで幅広いレパートリーをもち、その演奏には知性と広い視野、そして抜群のバランス感覚が宿る。
音色は明確な輪郭をもち、曖昧さを排した芯の強さと、磨かれたセンスが光る。
“オーケストラの耳”をもつ彼女ならではの、はっとさせられる解釈もまた大きな魅力である。

ピアニストの大崎由貴氏は、第18回東京音楽コンクールピアノ部門第2位(最高位)、第4回マンハッタン国際音楽コンクール特別金賞受賞など、輝かしい実績をもつ。
東響、東京フィル、新日フィルなど国内主要オーケストラとの共演も数多く、ソリストとしても高く評価されている。
彼女のピアノは、大自然の中から湧き上がるような和音の豊かさと、包み込むような音色が印象的だ。
波が寄せては返すようなレンジの広さと、躍動感あふれるダイナミズムは、まさにオーケストラ的な響きを感じさせる。

藝大での同期という関係性、そして留学先での再会が、ふたりの本格的なデュオ活動の原点となった。
同じビジョンを共有しながら音楽に生命を吹き込むふたりの音は、心地よく、洗練されたセンスをもちながらも、鋭さと熱い対話に満ちている。
互いの個性がときに鮮やかに交差し、深く響き合う様子もまた、このデュオの大きな魅力だ。

音楽を愛する方にはもちろん、クラシックに新鮮な入口を求める方にも、このシリーズの始まりをぜひご一緒いただきたい。
若き日に生まれた作品たちの輝きが、彼女たちの演奏によって、いま鮮やかによみがえるはずである。(渋谷美竹サロン)