全身から大人の魅力を放ちはじめた五十嵐薫子によるハンマークラヴィーア!
ショパン国際コンクールを経て5年ぶりに美竹サロンに舞い戻る
まだ記憶に新しい2021年第18回ショパン国際ピアノコンクール、今回も何人かの日本人が大活躍をした。わたしたちはその中の五十嵐薫子さんに注目した。全身から熱いオーラを放ち、すばらしい演奏を披露していた。ここまで来ると実力的にはほとんど差はない。運命の女神が微笑むか否か、それだけだ。残念ながら受賞には至らなかったが、わたしたちのなかではトップランクの魅力を放ち、熱い、感動的な演奏を感じていた。
今から5年前、サロン設立の2017年、最初にご出演いただいたのが五十嵐薫子さんであった。その五十嵐薫子さんが一まわりも二まわりも成長し、全世界に向けて熱い演奏を放っていることに少なからぬ感動を覚えた。その五十嵐薫子さんが美竹サロンに帰ってくる。
今回のショパン国際コンクールは水準が高いのみならず、個性的なコンテスタントも目立っていた。五十嵐薫子さんの演奏は、緊張感が漂う中、作品に潜む愛と美しさを見事にとらえ、引き出していたといえる。ショパンへの深い敬愛を感じさせる演奏だった。特に2次予選のスケルツォ第3番は聴く者を震撼させ、演奏後の“薫子スマイル”からは、達成感や清々しさも感じられ、聴衆の感動に花を添えるものとなっていた。
今回、サロンで演奏されるのは、ベートーヴェンのハンマークラヴィーア・ソナタという超大曲だ!(全ピアノ曲中、最難関と言われることもしばしばある)
この曲に挑む彼女の目線の先には、何か新たな世界への一歩を力強く踏み出さんとしている確かなコミットメントが感じられる気がする。それは、おそらく彼女の圧倒的な超絶技巧とインスピレーションに満ちた音楽性によって表現されるのだろう。
当サロンは、日本の若手音楽家の世界に向けた発信基地のような場になりたいとの思いで設立され、活動をしてきている。今こうして五十嵐薫子というピアニストが、世界に羽ばたき、舞い戻ってきてくださってきている。サロンという小さな親密な空間でそれに立ち会うことができるということは、なんとありがたいことだろうと感じざるを得ない。
(渋谷美竹サロン)
プロフィール
五十嵐 薫子(IGARASHI Kaoruko)Piano
日本音楽コンクール第3位併せて最も印象的な演奏に贈られる三宅賞を受賞する他、ピティナピアノコンペティション特級、日本ショパンコンクール他数々のコンクールで優勝・入賞。
六歳より桐朋学園子供のための音楽教室にてピアノを習う。
2003年 第二十三回ピティナピアノコンペティションB級全国大会金賞
2006年第十二回全日本ジュニアクラシック音楽コンクール小学校高学年部門第一位
2008年第六十二回全日本学生音楽コンクール中学生部門東京大会第二位
2012年 10月ソリストに選ばれ村上寿明指揮桐朋学園大学オーケストラと共演
2010,11年ショパンコンクールインAsia高校生部門アジア大会銀賞
2013年徳島音楽コンクールピアノ部門グランプリ
2014年ピティナピアノコンペティション特級銅賞
第83回日本音楽コンクール入選
2015年桐朋コンチェルトコンペティション第一位清水醍輝指揮桐朋学園大学オーケストラと共演。
2015年第84回日本音楽コンクール第3位、併せて本選で最も印象的な演奏に贈られる三宅賞を受賞。
2017年桐朋学園大学を首席で卒業し、皇居・桃華楽堂での御前演奏会に出演。また、2017年にベルギー王妃が御来日された際、御前演奏を行う。第1回めざましクラシックス超絶技巧選手権準優勝。
2019年日本ショパンコンクール第3位。2020年第89回日本音楽コンクールにて、卓越したピアノ伴奏により審査員特別賞を受賞。
2021年第18回ショパン 国際ピアノコンクール本大会出場。
日本各地で演奏活動を行うほか、ソリストとしてこれまでに、東京都交響楽団、日本フィルハーモニー、東京フィルハーモニー管弦楽団、東京シティフィル管弦楽団、桐朋学園大学オーケストラ等と共演。室内楽も積極的に行なっており、徳永二男氏や長谷川陽子氏等と共演している。これまでに今泉紀子、山田富士子、村上弦一郎、横山幸雄、岡本美智子の各氏に師事。
2015年霧島国際音楽祭賞、2016,2017,2018年ミュージックアカデミーinみやざき優秀賞を受賞。
2010年桐朋学園女子高等学校音楽科奨学生、2014年桐朋学園特別奨学生、2014〜2015年明治クオリティオブライフ奨学生、2016年メンデルスゾーンアカデミー(ドイツ・ライプツィヒ)奨学生、2018年、2019年度ロームミュージックファンデーション奨学生。2017年より桐朋学園仙川キャンパス特待生として桐朋学園大学大学院修士課程を修了。