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石井楓子ピアノリサイタル

2025年04月04日 [金]
開場18:30 開始19:00
渋谷美竹サロン

出演

石井 楓子(ISHII Fuko)Piano

神奈川県出身。
2019年第2回ブラームス国際ピアノコンクール(デトモルト)第1位を皮切りにヨーロッパでの活動を開始。
2022年第17回グリーグ国際ピアノコンクール(ベルゲン)優勝。バーゼル交響楽団、ベルゲン交響楽団、デトモルト州立劇場管弦楽団、アルゴフィア・フィル、クリスティアンサン・フィル、クラクフ・フィルなどのソリストをつとめ、バーゼルのシュタットカジノ、ウィーン楽友協会ブラームスホール、ノルウェーのグリーグホール、バルセロナのパラオ・デ・ラ・ムジカなどでコンサートを行う。
国内では第82回日本音楽コンクー ルピアノ部門第 1 位、第56回全日本学生音楽コンクール第1位、第6回東京音楽コンクールピアノ部門第2位、日本ショパンコンクール2010第2位などを受賞し、NHK交響楽団、読売交響楽団、京都市交響楽団をはじめとする国内の多くの主要オーケストラと共演。
桐朋女子高等学校音楽科を経て、桐朋学園大学卒業。その後ケルン音楽大学、またバーゼル音楽院で学び修士課程・演奏家課程を最高点で卒業。
室内楽、歌曲伴奏、ハンマークラヴィアも学ぶ。2019年度文化庁新進芸術家海外研修制度研修員。2024年に日本に帰国。2014年度大和市芸術文化未来賞受賞。第1回桐朋学園梅津賞(学長賞)受賞。2020年デトモルト音楽大学にてブラームス&ハイドン作品のCDを制作。2024年夏は、ノルウェーのロフォーテン室内楽フェスティバル、ベルゲンのグリーグ音楽祭に招かれた。ベートーヴェン、ブラームス、グリーグの作品を軸に演奏活動を行っている。
これまでにピアノを江崎光世、加藤伸佳、村上弦一郎、クラウディオ・マルティネス=メーナーの各氏に師事。2024年4月より桐朋学園大学非常勤講師。

プログラム

ブラームス:16のワルツ Op.39
ヴォルフガング・リーム (1952-2024):《ブラームスの愛のワルツ》(1985年作)
グリーグ:抒情小曲集より
Op.43-1 《蝶々》
Op.43-2 《孤独なさすらい人》
Op.54-2 《ノルウェー農民行進曲》
Op.57-6 《郷愁》
Op.65-6 《トロルドハウゲンの婚礼》

ベートーヴェン:ロンド・ア・カプリッチョ ト長調 Op.129《失われた小銭への怒り》
ブラームス:ピアノ・ソナタ第1番 ハ長調 Op.1

チケット情報

一般予約受付開始は2025年1月27日(月)AM10:00を予定しております。
受付開始まで今しばらくお待ちください。

当日、現地払いでお願いいたします。

5,000円(一般・全席自由席)
4,500円(会員・指定席あり)
2,500円(学生・全席自由席)

※会員のご紹介はこちら
https://mitakesayaka.com/members/

★8Fラウンジにてウェルカムドリンクとお茶菓子をご用意しております。

お問い合わせ先

主催渋谷美竹サロン/株式会社ILA
03-6452-6711
070-2168-8484
info@mitakesayaka.com

グリーグ国際ピアノコンクール覇者が美竹サロンに初登場!
大地から湧き上がるような圧倒的な響き、多彩な音色のグラデーションが描く厳かな美──


石井楓子の演奏の凄さを一言で表すならば、「自然のエネルギーを自在に引き出し音に昇華するピアノ」といえるかも知れない。
作品が持つそれぞれの“カラー”を再現するためのエネルギーを自在に操り、地、水、火、風、土、空、雷、陰、陽── 世に存在するさまざまなエネルギーを自身の内に感じ、それを音として外に顕現しようとしているのか…。
女性的でも男性的でもなく、神懸かり的な印象も感じられるが、ヒステリックさを感じさせることは一切ない独特の魅力がある。その根底には、作曲家や作品・楽譜への深いリスペクトがあり、そこに内包されている情感をクリアに伝えようとしているアプローチが際立っている。
大地から湧き上がるような圧倒的な響き、引き締まった構成美、多彩なグラデーション、筋肉質でブレない芯、それらが醸し出す圧倒的な臨場感、スケール感の底知れぬ魅力と説得力には圧倒されてしまう。
そんな彼女は、2022年 第17回グリーグ国際ピアノコンクール優勝時の際にも、コンクールであることを感じさせないスケールの大きな演奏で一躍注目を集めていたが、メンタルの調和、強さ、安定感も際立っているのだろう。


彼女の演奏に初めて触れたのは、そのずっと前のYouTubeにアップされていた「ベートーヴェン ピアノソナタ第30番 Op.109」だった。
「若手ながら驚異的なベートーヴェン弾きがいる」と話題になっていたその演奏は、堅牢な構造を土台にしつつも、抒情性に溢れた見事な演奏であった。
深淵から湧き上がるような圧倒的なフォルテの迫力にも驚かされたが、ベートーヴェンの内省的な精神性を巧みに描き出していた。
まずは、彼女のドイツもの、特にベートーヴェンを、生演奏で間近に体験してみたい、クラシック音楽のファンであるならば、誰もがそう感じるだろう。今回は「ロンド・ア・カプリッチョ ト長調 Op.129」通称《失われた小銭への怒り》という、ベートーヴェンのユニークさと演奏効果が際立つ作品が選曲されている。
また、現在の彼女には最適ではないかと感じられるブラームスの「16のワルツ Op.39」と「ピアノ・ソナタ第1番 ハ長調 Op.1」がセットされており、期待が高まる。
さらに、彼女を語る上で外せないグリーグの抒情小曲集も登場する。
自然のエネルギーを自在に操るような彼女のピアノが、この作品をどのように表現するのか、注目だ。2024年4月号『ショパン』誌で彼女が語っていたように、留学先のバーゼル音楽院では、現代音楽への学びが盛んだったとのこと。
今回プログラムに含まれるヴォルフガング・リームの《ブラームスの愛のワルツ》は、そうした背景を反映しつつ、プログラム全体をさらに洗練させる一曲となっているといえるだろう。
2025年度、美竹サロンが8周年を迎える記念すべき年の幕開けにふさわしい石井楓子が挑む渾身のプログラムといえるのではないか。(渋谷美竹サロン)