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水野優也チェロリサイタル(ピアノ:五十嵐薫子)

2025年04月16日 [水]
開場18:30 開始19:00
渋谷美竹サロン

出演

水野 優也 (MIZUNO Yuya) Cello
1998年生まれ。
89回日本音楽コンクール第1位および岩谷賞 (聴衆賞)、黒栁賞、徳永賞、全部門を通じて最も印象的な演奏に対し贈られる増沢賞を受賞。
13回東京音楽コンクール第1位および聴衆賞、2024年エンリコ マイナルディ コンクール第1位、第31回青山音楽賞新人賞など多数受賞。
特待生として桐朋学園大学ソリスト・ディプロマ・コース修了。ハンガリー・リスト音楽院にてミクローシュ・ペレーニに師事。
現在、ザルツブルク・モーツァルテウム大学にてクレメンス・ハーゲンに師事。
ソリストとして国内外でのオーケストラとの共演や、リサイタル、室内楽公演への出演、アウトリーチ参加など、活発な演奏活動を行っている。
ジャパン・ナショナル・オーケストラのコアメンバー。
2023年、NOVA Recordより「水野優也×反田恭平 コダーイ:無伴奏チェロ・ソナタ&ショパン:チェロ・ソナタ」でCDデビュー。
同年、オクタヴィア・レコードより高崎芸術劇場でのライヴを収録した
CDもリリース。
使用楽器は、故齋藤秀雄氏の愛器だった
Testore(1746年製)、弓は住野泰士コレクションよりF.Tourteを貸与されている。

五十嵐 薫子(IGARASHI Kaoruko)Piano
2022年ジュネーヴ国際音楽コンクール(スイス)にて、第3位及びRose Marie Huguenin Prizeを受賞。
また、日本音楽コンクール、ピティナピアノコンペティション、ショパンコンクールinAsia、日本ショパンコンクール他多数のコンクールで受賞を重ねる。
6歳より桐朋子供のための音楽教室にてピアノを始める。
ソリストとして東京都交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、ヤナーチェクフィルハーモニー管弦楽団(チェコ)他と共演。
これまでに、今泉紀子、山田富士子、村上弦一郎、横山幸雄、岡本美智子の各氏に師事。
2014年桐朋学園特別奨学生、2014〜2015年明治安田QOL奨学生、2016年メンデルスゾーン・アカデミー奨学生、2017,2018桐朋学園仙川キャンパス特待生、2018年,2019年度rmf奨学生他。
NHK「クラシック倶楽部」、NHK-FM「リサイタル・パッシオ」、「ブラボー・オーケストラ」等出演。
室内楽ではヴァイオリンでは徳永二男氏、ワディム・レーピン氏、チェロでは長谷川陽子氏等著名な音楽家と多数共演している他、2020年には第89回日本音楽コンクールに於いて審査員特別賞を受賞(チェロ部門共演)。

プログラム

ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第3番 イ長調 Op.69
ドヴォルザーク:ロンド ト短調 Op.94
プーランク:チェロとピアノのためのソナタ FP143

リゲティ:無伴奏チェロ・ソナタ
ショパン:チェロ・ソナタ ト短調 Op.65

チケット情報

一般予約開始は2025年3月5日(水)10:00〜を予定しております。
お時間になりましたら「ご予約はこちら」というボタンが表示されますので、今しばらくお待ちください。

当日、現地払いでお願いいたします。

5,000円(一般・全席自由席)
4,500円(会員・指定席あり)
2,500円(学生・全席自由席)

※会員のご紹介はこちら
https://mitakesayaka.com/members/

★8Fラウンジにてウェルカムドリンクとお茶菓子をご用意しております。

お問い合わせ先

主催渋谷美竹サロン/株式会社ILA
03-6452-6711
070-2168-8484
info@mitakesayaka.com

水野優也 × 五十嵐薫子
チェロの奥深い可能性──歌い、響き、紡ぐ
手が届きそうな距離で味わう、絢爛のデュオ!


演奏技術が飛躍的に向上している今、アーティストの個性が埋もれ、没個性化が進んでいるように感じることもある。
チェリストも例外ではなく、現在の日本には、世界的に見てもトップレベルの奏者が何人もいる。
そんななかで、これほど “ 歌うチェロ ” と感じさせる演奏に出会ったのは初めてのことだった。
水野優也のチェロは、ただ柔らかく美しいだけではなく、響きが立体的で、何を歌っているのか、それがよく見えるのだ。
可動域の広さ、表現の幅、そしてチェロが持つ叙情性 ── そのすべてが彼の演奏にはある。
チェロという楽器が、こんなにも華やかで、多彩な表情を持つものだったのかと ── 改めて感じさせてくれる。
過去の名演とされる演奏を語るときに「リリシズム(叙情性)」という言葉を使うことがあるが、それは平たくいえば「味がある」ということなのだろう。
均一化されすぎているのではないか、と感じられることが多い現代において、「リリシズム」を感じさせてくれる演奏家は、もはや稀少な存在になりつつある。
しかし、水野優也のチェロには確かにそれがある。

「美竹サロン」という制限の無い空間の中で、彼はまさに「チェロの奥深い可能性」を示すようなプログラムを提案してくれている。
まず、ベートーヴェン「チェロ・ソナタ第3番 イ長調 Op.69」。
ベートーヴェンらしいモティーフの扱いと、チェロとピアノの対話が、驚くほど洗練された形で展開される。
ドヴォルザーク「ロンド ト短調 Op.94」は、民族色豊かな旋律がチェロの歌心を引き立てる佳作。
そして、プーランク「チェロとピアノのためのソナタ FP143」。
プーランク特有の洒脱さとウィットに富んだ旋律が、どこか都会的な空気を醸し出す。
しかし、その裏には、ふとした瞬間に胸を打つ抒情が潜んでいる。
後半は、また違った方向からチェロの表現の可能性を追究する。
リゲティ「無伴奏チェロソナタ」は、現代音楽の中でも特に演奏効果の高い作品。
ここにはリゲティにありがちな「難解さ」はなく、むしろ透明な響きが宇宙的な広がりを感じさせる。
そして、ショパン「チェロ・ソナタ ト短調 Op.65」。
ショパンの数少ない室内楽作品の中でも、最もロマンティックな楽曲のひとつであり、
特に第3楽章のカンタービレは、ショパンの抒情美が極まる瞬間だろう。そして、このプログラムの真価を引き出す鍵を握るのが、ピアニストの存在だ。
五十嵐薫子のピアノは、まさに “ インスピレーション型 ” といったらよいのか、音楽の流れに鋭敏に反応し、時に情熱的に、時に深く沈み込むように歌う。
彼女のピアノ演奏は、音楽を変幻自在に「彩る」。

水野優也のチェロと五十嵐のピアノが、互いに触発し合いながら、どのような音楽的対話を紡ぎ出すのか、その瞬間に立ち会えること自体が、貴重な体験となるに違いない。
こうした演奏会は、単なる演奏会ではなく、音楽の可能性を探る “ ひとときの旅 ” だ。(渋谷美竹サロン)