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本格派ピアニストが紡ぐ 至高の名曲特集 佐藤彦大

2026年05月09日 [土]
開場14:30 開始15:00
渋谷美竹サロン

出演

盛岡市出身。東京音楽大学大学院(ピアノ・エクセレンス)修了、ベルリン芸術大学及びチャイコフスキー記念国立モスクワ音楽院において更なる研鑽を積む。在学中ロームミュージックファンデーション、明治安田クオリティオブライフ文化財団より奨学金を得る。2007年第76回日本音楽コンクール第1位、2010年第4回仙台国際音楽コンクール第3位、2016年第62回マリア・カナルス・バルセロナ国際音楽コンクール第1位。大友直人指揮/東京交響楽団、小林研一郎指揮/日本フィルハーモニー交響楽団、広上淳一指揮/京都市交響楽団、山下一史指揮/仙台フィルハーモニー管弦楽団、L.ヴィオッティ指揮/ビルバオ交響楽団、A.サラド指揮/セビーリャ王立交響楽団等、国内外の主要オーケストラと共演。録音ではライヴ・ノーツより「Hiroo Sato plays 3 Sonatas」「Hiroo Sato Piano Recital」、ベルウッド・レコードより「Japonisme菅井知延子作品集」をリリース。また、2020年には「佐藤彦大アンコールピース集」を自主制作した。現在、東京音楽大学専任講師、桐朋学園大学非常勤講師。ミリオンコンサート協会所属アーティスト。
https://www.hiroosato-hikodai.com

プログラム


ドヴォルザーク:8つのユモレスク Op.101より 第7曲 変ト長調
メンデルスゾーン:無言歌集 第4巻 Op.53より 第3曲 ト短調 「胸騒ぎ」
クレメンティ:ソナチネ ト長調 Op.36-5
モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第10番 ハ長調 K.330
グラナドス:スペイン舞曲集 Op.37より 第2番「オリエンタル」
ラヴェル:組曲《鏡》より第4曲「道化師の朝の歌」ニ短調

シューベルト=リスト:12の歌 S.558より
第4曲「魔王」
第11曲「さすらい人」
シューベルト:「さすらい人幻想曲」ハ長調 Op.15, D.760

チケット情報

当日、現地払いでお願いいたします。

4,500円(一般・全席自由席)
4,000円(会員・指定席あり)
2,000円(学生・全席自由席)

未就学児童の入場可能
※未就学児童は保護者1名につき1名まで膝上無料

★8Fラウンジにてウェルカムドリンクとお茶菓子をご用意しております。

お問い合わせ先

主催渋谷美竹サロン/株式会社ILA
03-6452-6711
070-2168-8484
info@mitakesayaka.com

研ぎ澄まされたピアニズムが照らし出す──"作曲家たちのつながり"
佐藤彦大の〈さすらい人〉を中心とした散策


佐藤彦大の名曲特集は、今年で4回目を迎える。
もともとは「名曲特集」として、さまざまな作曲家の方々にご出演いただく企画を構想していたのだが、佐藤氏の多彩なピアノの魔法と、深く練られたプログラミングがこの趣旨に驚くほど自然に重なり、今ではこの“名曲特集”のシリーズとして欠かせなくなっている。

「名曲特集」というタイトルからは、名曲ばかりを並べた華やかなコンサートを想像されるかもしれない。
だが、佐藤氏の場合は異なる。彼のプログラムは常に、ひとつの中心的な作品を軸にストーリーを描くように構成されていて、単に名曲を並べているわけではない。
そして、その背後には音楽的な思想と明確な構造がある。

これまでの公演を振り返っても、印象に残る瞬間が数え切れない。
彼のピアノはシューベルトが特筆に値すると感じていたが、前回のシューマン《謝肉祭》では、まるで物語の登場人物が次々と姿を現すような多面性に満ちた演奏で驚かされた。
ショパンの《バラード第3番》は聴く者の心を掴んで離さず、その前の回で演奏されたモーツァルトでは、音楽の純度の高さと弱音の美しさに、思わず息をのむほどであった。

そうした経緯もあり、今回はぜひ彼のシューベルトをメインに聴きたいという思いから、《さすらい人幻想曲》をリクエストした。
孤独と狂気のはざまを彷徨うこの作品を、佐藤彦大がどのように描き出すのか、彼の繊細かつ知的なピアニズムが、どんな深みを見せてくれるのか、今から胸が高鳴る。

さらに今回のプログラム全体にも、彼らしいストーリー性と歴史的つながりが見事に貫かれている。
以下に記すのは、佐藤氏自身による「プログラムに寄せて」の言葉である。 この一文を読むだけでも、彼の作品と向き合い方、音楽の背後にある作曲家の精神を掘り下げていく姿勢が感じられるだろう。  (渋谷美竹サロン)


プログラムに寄せて──

生粋のウィーンっ子、シューベルトの「さすらい人幻想曲」を軸にしたプログラムで、感情や物事の対比に焦点を当ててみた。特に今回は暗めの作品の比率も高い。一方で、クレメンティとモーツァルトはウィーンで競演したライバル。ベートーヴェンはクレメンティの作品を高く評価していたらしい。さすらい人幻想曲のモチーフとなった歌曲の「さすらい人」や、名曲「魔王」をはじめ、チェコやスペインの作品にも登場して貰い、ストーリーを感じて頂けたら幸いである。(佐藤 彦大)