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【第五日】鐵百合奈ピアノコンサート

2017年08月05日 [土]
開始15:00
渋谷美竹サロン

出演

お問い合わせ先

主催美竹清花さろん/株式会社ILA
03-6452-6711
info@mitakesayaka.com
偉大な作曲家と魂を共振しあうことができるのか、鐵百合奈というピアニストに注目。

ピアニストの演奏に、大ホールではなく、小さなサロンで間近に接してみると、それまで見えなかった、いや聞こえなかった音や音楽が聞こえてくるだけではありません。物理的な距離や空間、音の大小、響きの違いなどではなく、明らかに次元が異なっている…だから受けとることができる情報、共感できる体験があるのだということをまざまざと感じることがあります。

鐵百合奈というピアニスト、わたしにとってこの人の衝撃は、バッハのシャコンヌをYouTubeで聴いた(観た)ときでした。バッハの曲をピアノ演奏で聴くことはわたしの無上の悦びで、さまざまなピアニストの演奏を楽しんでいますが、いつのまにか、淡々とリラックスしてあるがままの時の流れを楽しむようなグールド節(グレン・グールド)を聴いていることが多いです。グールドは気楽に、まるでドラッグでも飲むような感じで聴けるところが気に入っています(笑)。しかし、たとえば、平均律をまともに聴こうと思ったら、やはりグールドではなく、神が降りているとしか思えない神品リヒテルの演奏を聴きます、ただし気楽には聴けず、襟を正し、集中して聴いてしまいます。(笑)

鐵百合奈というピアニストの上記のシャコンヌでは、まるでそのリヒテルが懸かっているのではといった、思わず聞き惚れてしまう演奏です。

ところが、鐵さんの生の演奏で聴いたのはベートーヴェン(テンペスト)ばかり。ベートーヴェンのソナタとなると激戦区です(笑)。しかし、さすがにさすが!です。バッハを聴いたときの衝撃とは異なり、出だしのわずか数秒で、「ベートーヴェンとはこういうもの」という強力な説得力をもってわたしの胸に響いてきました。ピアニストの名手には、こういう超次元的な力が備わっているのか…と体感させられてしまいました。バッハでもそうでしたが、こういうことができるのは、きっと、偉大な作曲家の魂と共振しあうことができるからなのではないでしょうか。鐵百合奈というピアニスト、この方の将来に関しては、ピアニストとしてだけではなく、音楽家として、一人の女性として、人間として、大きな関心をもたざるを得ません。

(渡辺公夫)


プロフィール
鐵 百合奈
香川県生まれ。東京藝術大学音楽学部附属音楽高校、同大学を経て、同大学院修士課程に在籍。青柳晋氏に師事。
ピティナピアノコンペティション第29回E級全国大会銀賞、同第35回G級銅賞。第11回大阪国際音楽コンクールAge-H部門第1位、兵庫県知事賞。第20回日本クラシック音楽コンクール高校の部第1位、グランプリ。第14回ローゼンストック国際ピアノコンクール第1位。第84回日本音楽コンクール入選。
藝大卒業時に、アカンサス音楽賞、藝大クラヴィア賞、同声会賞を受賞。皇居内の桃華楽堂にて御前演奏を行う。学内より選抜され、藝大モーニングコンサート、日韓交流演奏会、同声会新人演奏会、読売新人演奏会等に出演。
ヤマハ音楽振興会、よんでん文化振興財団、岩谷時子音楽文化振興財団より奨学金を受ける。