人気急上昇中のお二人が美竹清花さろんに登場!
ーー今もっとも注目を集めている"風に舞う共演"
絵に描いたような素敵なデュオコンサートが、美竹清花さろんで実現することになりました。
ヴァイオリン=鈴木舞(すずき・まい)さん、ピアノ=實川風(じつかわ・かおる)氏の豪華なコンサートです。
鈴木舞さんの演奏を聴いたのは今年の夏、当サロンにいらっしゃった時です。
今まで美竹清花さろんではピアノの演奏会が多かったので、ヴァイオリンの響きの美しさをサロンで堪能したことがありませんでした。
しかし、鈴木舞さんが突如サロンにリハーサルにいらっしゃり、その素晴らしいヴァイオリン演奏を披露してくださり、はっとしました。こんなにもサロンとヴァイオリンの響きが調和するものなのかと…サロンでヴァイオリンの音色の素晴らしさを体験したのは鈴木舞さんの演奏がはじめてでした。それもそのはず、サロンにはヴァイオリンに使用されている同じ木素材のメイプル(楓)の格子戸がふんだんに使われているのです。まるでヴァイオリンの楽器のなかで聴いているかのような錯覚に陥るほどに、ヴァイオリンの響きを最大限に引き出す空間といえるでしょう。
サロンの響きだけではなく、鈴木さんの演奏には繊細さ、色彩感、そして透明感といった上品な表現力が豊かに備わっています。それらは決して表面的な美しさだけではなく、芯のある内面的な美しさ、とでも表現するのでしょうか。
鈴木さんは2007年チャイコフスキー国際コンクール最年少セミファイナリスト、2013年ヴァーツラフ・フムル国際ヴァイオリンコンクール第1位、オーケストラ賞。オルフェウス室内楽コンクール(スイス)第1位、2016年スピヴァコフ国際ヴァイオリンコンクール第2位…等々、目も眩むような輝かしい実績を短期間のうちに挙げています。ミュンヘン在住で活動のステージがヨーロッパであるため、国内での演奏会は非常に貴重なものとなっており、今後の日本での活躍にも大いに期待できるといえます。
音楽評論家の山野雄大氏は、鈴木舞さんを評して、「鈴木舞の音楽には、姿勢正しい誠実さと、細やかな心くばりが確かに満たされている。そしてその底にふつふつと燃える情感が、ぐっと迫真を語り、歌う。」と言います。
彼女自身は、「生きるためにヴァイオリンを弾いていた。…以前は自分の苦悩を人に話すことが出来なかったタイプなので、フランス音楽の<葛藤があっても内に秘めて人にみせずに語る>というところに共感したのではないか」というように、フランス音楽を6年ほど究めてきたというーー
なるほど、彼女の繊細ながらに芯のある内面的な美しさは、フランス音楽が関係しているのかと納得しました。
一方、ピアノの實川さんは、2015年10月、パリで開催されたロン=ティボー=クレスパン国際コンクールで1位なしの第3位、併せて最優秀リサイタル賞、および新曲賞を受賞。2016年12月にはイタリア開催第7回カラーリオ国際ピアノコンクール優勝、等々…やはりこれまでに大変な実績を積み上げられてきており、テレビ・ラジオ等の出演も数多くあります。2016年秋よりオーストリア・グラーツ国立芸術大学ポストグラデュエート課程に在籍。そんな實川さんの演奏は"自然体で端正な美しさ"が一目置かれています。音楽に誠実に向き合う姿勢が彼の演奏やCD録音から、くみ取ることができます。
このお二人、実は高校1年生の頃から10年以上、毎年のように共演しているそうで、気心が知れており、息もぴったり。キングレコードから出ているデヴューアルバム=『マイ・フェイバリット 鈴木舞』でも共演しています。鈴木舞さんの使用楽器は1683年製 “ニコロ・アマティ” です。この銘器が美竹清花さろんにどのように響くか、大変な楽しみです。
今回のプログラムはシューベルトの「ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ」が予定されています。シューベルトといえば生涯に600曲もの歌曲を作曲したことから「歌曲の王」とも呼ばれています。そんなシューベルトの数少ないヴァイオリンとピアノのための作品。シューベルトらしい歌曲のような、素朴で叙情的な調べに個性が現れます。
シューベルトの真っ白なベールにつつまれたような世界と、鈴木さんの迫真を語り歌い上げるような音楽性、實川さんの限りなく美しく端正な響きでの、音楽での語らい、対話が非常に楽しみです。
(渡辺公夫/見澤沙弥香)
プロフィール
鈴木舞
2007年チャイコフスキー国際コンクール最年少セミファイナリスト、 2013年ヴァーツラフ・フムル国際ヴァイオリンコンクール(クロアチア)第1位。オルフェウス室内楽コンクール(スイス)第1位。2016年スピヴァコフ国際ヴァイオリンコンクール第2位。
東京藝大を経て、ローザンヌ、ザルツブルグ、ミュンヘンで研鑽を重ねる。これまでにスイス、チェコ、フィンランド、クロアチアなどのオーケストラと共演してきた。
2012-13年度文化庁芸術家在外派遣研修員、2015-16年度ローム ミュージック ファンデーション奨学生、2017年度メニューイン・ライブミュージック・ナウ(ドイツ)奨学生。
2017年7月にはフランス・コルマール音楽祭にリサイタル・デビューし、9月にデビューCD「Mai favorite」をリリース。使用楽器は1683年製のニコロ・アマティ。ミュンヘン在住。
http://maiviolin.com/
實川風
2015年、ロン・ティボー・クレパスパン国際コンクール(パリ・フランシス)、1位なしの第3位、最優秀リサイタル賞、最優秀新曲演奏賞を受賞。2016年には、カラーリオ国際ピアノコンクール(カラリオ・イタリア)には第一位受賞。その他、2008年日本音楽コンクール第3位、名古屋国際音楽コンクール第1位、2013年サザンハイランド国際ピアノコンクール第2位(オーストリア・キャンベラ)、2015年第3回日本ショパンコンクール第一位など、国内外のコンクールで優勝・入賞を果たします。上海音楽祭、ソウル国際音楽祭、ノアン・ショパンナイト(フランス)に出演。これまでに、キャンベラ交響楽団、東京交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、名古屋フィルハーモニー交響楽団、大阪交響楽団などのオーケストラと共演 演劇東京藝術大学附属高校・東京藝術大学を首席で卒業。同大学大学院(修士課程)修了。山田千代子・御木本澄子、多美智子、江口玲の各氏に師事。昨年秋より、グラーツ国立音大大学ポストグラデュエット課程に在籍し、マルクス・シルマー氏に師事。