内匠 慧が現代のクラシック音楽を紐解く充実の3回シリーズ
第1回は新実徳英の世界を堪能
コンフルーエンスとは、川と川が合流する地点のこと。
無数の源流が連なり河川の水かさが増していくように、現代音楽もまた、クラシックに溶け込み、新しい時代のクラシック音楽の一部を形成していくべきである。
当シリーズではひとりずつ、今まさに活躍する作曲家の特集を行う。毎回、特集する作曲家の作品を、クラシックの定番作品と組み合わせ、「伝統的なピアノリサイタル」の形式にて提示していく。
現代の作品が、クラシック音楽の文化の一部として流れはじめる様々な「合流地点」を鑑賞し、創造していく場、それが美竹清花さろんの「コンフルエンシス」ピアノリサイタルシリーズである。
(内匠 慧)
プロフィール
新実 徳英(にいみ・とくひで)作曲家
東京大学工学部卒、東京芸術大学作曲科卒、同大学院修了。
オペラ「白鳥」、管弦楽曲は「風神・雷神」他多数あり、国内外で演奏されている。「協奏的交響曲エランヴィタール」で尾高賞。他
中島健蔵音楽賞、文化庁芸術祭大賞、別宮賞等。
室内楽、邦楽、合唱曲等多数。谷川雁との共作「白いうた青いうた」53曲、震災直後の和合亮一の詩をエディットした「つぶてソング」12曲は特に広く歌われている。
11年にヴァイオリン作品、13年に室内楽作品個展を開催。本年2月NYで開催されたミュージック・フロム・ジャパン音楽祭にテーマ作曲家として招かれ新作を含む作品個展が大好評を得た。
内匠 慧(たくみ・けい)Piano
1992年生まれ。春日井市広報大使。これまでに東京・名古屋・浜松・パリ・ロンドンでソロリサイタルを開催。この数年ではリストの超絶技巧練習曲やスクリャービンのソナタの全曲演奏をはじめとした、クラシック音楽の根幹をなす作品に加え、多様なスタイルの現代音楽も取り上げている。
3歳よりピアノを習い、ヤマハマスタークラス特別コースを修了。愛知県立旭丘高校普通科を卒業後、半年間の東京藝術大学在学を経て、英国王立音楽院に全額奨学生として留学。同音楽院にてBMus、MA、DipRAMを取得する。これまでに遠藤誠津子、後藤康孝、V・ゴルノスタエヴァ、鈴木弘尚、吉永哲道、東誠三、C・エルトンの各氏に師事。
名古屋フィルハーモニー交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団等、多数のオーケストラと共演。第8回浜松国際ピアノコンクールにおける最年少ファイナリスト。その他、受賞歴にはオスロ・グリーグ国際コンクール特別賞、全日本学生音楽コンクール高校の部全国大会第1位、PTNAピアノコンペティション特級銀賞などがある。
2014年のCHANEL Pygmalion Daysアーティスト。2015-16年度RMF奨学生。近日、ファーストCD「リゲティ・エチュード全集」を、イタリアのレーベル「シェヴァ・コレクション」よりリリース予定。
http://www.keitakumi.com
幸木 政博(こうき・まさひろ)Tenor
東京藝術大学音楽学部声楽科卒業。藤原俊輔、勝部太、黒田清の各氏に師事。フライブルグ市立管弦楽団日本公演2006・モーツァルト「戴冠式ミサ」のソリストとして共演。
歌とヴァイオリンのジョイントリサイタル、「日本語をうたう」、ニューイヤーコンサート等の演奏活動のほかに、皆で懐かしの歌をうたう講座を開いている。
歌における日本語のより自然な表現を追求し、日本の歌を軸として名古屋を中心に音楽活動を行っている。味のある日本の歌に対して聴衆から常に高い評価を得ている。