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【完売】10月20日18:00~ 實川 風 〜ある風景のなかで〜

2018年10月20日 [土]
開場17:30 開始18:00
渋谷美竹サロン

出演

ピアノ實川 風

プログラム

C.ドビュッシー:パゴダ(1903)
J.ケージ:ある風景のなかで(1948)
E.サティ:4つのオジーヴ (1886)
C.ドビュッシー:沈める寺(1910)
G.シェルシ:Bot ba(1952)
C.ドビュッシー:版画 2.グラナダの夕べ(1903)

西村朗:星の鏡(1992)
平井京子:3つのアリオーソ(2011)
武満徹:ロマンス(1948)
矢代秋雄:夢の舟(1960)


*プログラム等は、やむを得ない事情により、 変更になる場合がございます。

チケット情報

当日、現地払いでお願いいたします。
4,000円(一般・全席自由席)
3,500円(会員・指定席あり)
2,000円(学生・全席自由席)
※会員のご紹介はこちら

★8Fラウンジにてウェルカムドリンクとお茶菓子をご用意しております。

お問い合わせ先

主催美竹清花さろん/株式会社ILA
03-6452-6711
070-2168-8484
info@mitakesayaka.com
音楽に秘められたメッセージを…

新しい試みとして、主に20世紀前後の静かな作品を連続させてプログラムを組んでみました。
いつの時代も楽器演奏においてはヴィルトゥオージティ(名技性)がもてはやされますが、技巧のための技巧を削ぎ落とし、
静謐な音の繋がりのなかに独自の世界を見出した作品を集めました。
(實川 風)


「どうやったら二本の手、二本の足で多彩な音色の組み合わせを作れるか考えるのが昔から好きでした。
ピアノという楽器は、奏者が鍵盤を押してから音が出るまでの複雑なメカニックを経由するので、音色が平面的、機械的になりやすい楽器なのですが、音色の組み合わせを立体的に作れるように、手とペダルを常に加減しています」


そう話す實川風さんは眉目秀麗、ピアノに向かう姿はスマートそのものです。シャープ、もしかして気取っているかも…?そんなことすら想像してしまう實川さんですが、実際のパーソナリティは真逆で実に素朴!
あるがまま、気取らない、やさしい、誠実そのもの、フレンドリーで気さく、そんな好青年のお人柄です。

自然体な實川さんだからこそ、誰よりも作品に誠実に向かい合い、純粋な好奇心からアイディアも生まれ、本質的な音楽の創造に繋がっていると言えるのではないでしょうか。

「普段、演奏をするときには、作曲者が作品に詰め込んだ魅力や世界を、どうやって聴いている人にも共有してもらえるかをいつも考えています。個性を出そう、オリジナリティを出そう、と大げさにいじくるのは簡単なのですが、他の人が書いた作品のストーリテラーに徹しつつ、その人にしか出せない味わいが自然と滲み出てくる境地というのはとても大変です。そこを目指してやっていきたいと思います」

コンサートピアニストにとって、決して忘れてはならないのが作曲家との対話、そして作品との対峙です。
現代を生きるピアニストにとって、もっとも欠けてはならない要素の一つではないでしょうか・・・・
實川さんは以前のインタビューで「作曲家と演奏家である自分と聴衆と三位一体となり、曲に秘められた作曲家からのメッセージを、そのまま素直に伝えられるような演奏家でありたい──」そうお答えいただいたことを思い出しました。

本当の意味での"個性のある演奏"というのは自分で何か図るのではなく、音楽に秘められたメッセージを解き明かし、刹那的で尊いときの芸術としての音楽を慈しみ、今に伝えることなのだと気付かされます。

「ベートーヴェンやシューベルトが弾いていたピアノと現代のピアノはまるで別物なので、彼らの作品を演奏するときには、どうやってモダンピアノに翻訳して音を作っていくのか難しいことが多々あるのですが、現代のピアノがほぼ完成された20世紀以降の作品は、作曲者の弾いていた楽器と音色が近いぶん、音色のイメージが掴みやすいです。それと、演奏における“慣習”、“伝統”というものの積み重ねが少ない分、僕にとっては肩の力を抜いて演奏することができます」

「現代音楽というと、十二音技法に始まってバーバリズム、トータルセリー、クラスター、ミニマルミュージック、テトラフォニーなどなど、主義や技法でカテゴライズされることが多いので、“難解”、“頭でっかち”なイメージを持たれる方も多いと思います。実際、新たな技法に意識がいきすぎて“技法のための技法”になっているような曲もありますが、今回選んだ作品は、技法だけに固執せず、自身の世界を表現するために音を選びぬき、なおかつピアノという楽器の響きの美しさを活かした作品を選びました。・・・・20世紀初頭のドビュッシーの作品から、違和感なく楽しんでいただけると思います!」

今回のプログラムでは20世紀以降の作品を多く取り上げられています。
なかでも自然の中で生まれるような響きの美しさが、ひときわ抜きん出る作品ばかりです。
たとえば、本コンサートのタイトル〈ある風景の中で〉を作曲したJ.ケージという作曲家は、前衛的な作曲家として知られています。ですが、どの作曲家よりも"沈黙"を追求し、そのなかで生まれる美しさを大切にした作曲家なのではないでしょうか。
『私は自分の感情から自由になろうとつとめています。(J.ケージ)』という彼の言葉からも、その真意が受け取れます。

そんな沈黙から生まれる美しさを捉えた作品の数々は、常に自然体で音楽に向き合う實川さんと相通ずるものがあるのではないでしょうか。
美竹清花さろんの木の香りを感じながら、五感を研ぎ澄まし、その瞬間に生まれる音楽を体験してみませんか。
プログラムを見ただけで背筋が引き締まるほどの緊張感を感じますが、ともかく期待せざるを得ない『實川風・未体験ゾーン』で、いまからワクワクとしてしまいます。
(美竹清花さろん)


プロフィール
實川 風(じつかわ・かおる)Piano

2015年、ロン・ティボー・クレスパン国際コンクール(パリ・フランス)にて、1位なしの第3位、最優秀リサイタル賞、最優秀新曲演奏賞を受賞。2016年、カラーリオ国際ピアノコンクール(カラーリオ・イタリア)にて第1位受賞。イタリア国内でのリサイタルの他、上海音楽祭、ソウル国際音楽祭、ノアン・ショパンナイト(フランス)・アルソノーレ(オーストリア)に出演。
これまでに、東京交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、東京ニューシティ管弦楽団、名古屋フィルハーモニー交響楽団、大阪交響楽団などのオーケストラと共演。東京藝術大学附属高校・東京藝術大学を首席で卒業し、同大学大学院(修士課程)修了。グラーツ国立音楽大学ポストグラデュエイト課程を修了。
山田千代子・御木本澄子、多 美智子、江口玲、マルクス・シルマーの各氏に師事。