注目の18才、豊かな感性で紡ぐ渾身のプログラム!
「ここ最近、皆様の前で演奏する機会が増え、多くの方に私の演奏を聴いていただけると素直にうれしく思っていた私ですが、演奏を続けることによって、それぞれの作品から感じる、圧倒的な質量や熱量のような意志をより強く、より深く、曲の魔力に触れているような感覚から、演奏するたびに私自身の中での少しの変化を感じ、とても新鮮な喜びを感じています。」
そう語るのは2000年生まれの18才、ピアニストの太田糸音さん。
多彩な魅力が詰まった彼女のピアノは、毎回表情を変え、これからの行方が楽しみな若手演奏家の一人です。
"曲の魔力"と語る太田さんですが、初めてお会いし、お話をしたときから、その素直でピュアな心が彼女の音楽づくりに大きく関係していると感じました。
音楽にかぎらず、素直に受けとる心がなければ感じたものをアウトプットすることはできません。
"音楽家は、自分自身が感動しなければ、聴き手を感動させることはできない"といわれるように、受けとる力、きれいなものをきれいだと感じる心、そのような美しい心をひときわ敏感に感じる感性をもった演奏家、それが太田糸音さんというピアニストです。
「私は、自分自身の頂上を目指して歩を進めていると常々思っていますが、偉大な作曲家たちが到達した世界をはるか遠くに仰ぎ見ながらの一歩一歩は、また新しい自分自身に繋がっている、そのような実感を得ています。」
己を磨き、音楽に献身したいという謙虚な姿勢は、演奏家に必須な要素といえるでしょう。演奏家としては、まず謙虚さをもって作品と対峙しなければ、さまざまな技術的側面を克服することができませんし、作品から読み取れるメッセージを汲み取ることもできないのではないでしょうか。"若さ"を除いたとしても、彼女の謙虚さ、自己克己心には目を見張るものがあると感じました。
「今回は美竹清花さろんでの初のコンサートということで、まさにそういった不思議な感覚を覚えた作品のプログラムを演奏します。
演奏時に見える、言葉にもならない幻と現実の狭間、そこに広がる世界を、もっと貪欲に感じることができる私でありたいのです。」(太田 糸音)
さまざまな面で目が離せない太田糸音さん。
今後への期待はいっそう膨らみます。
今回のコンサートは、演奏家の息づかいや表情の変化などを目の当たりにすることができ、全身で音楽を聴くことができる美竹清花さろんでの演奏会。
太田糸音というピュアな心と豊かな感性が紡ぐ渾身のプログラムを、至福の時の流れのなかで共有できる最高のひとときとなることでしょう。
プロフィール
太田 糸音(おおた・しおん)Piano
2000年生まれ。2017年東京音楽大学付属高等学校を2年次で早期修了し、飛び級にて現在東京音楽大学ピアノ演奏家コース・エクセレンス2年、特別特待奨学生として在学中。2013年第67回全日本学生音楽コンクール中学校の部全国大会第1位併せて野村賞、井口愛子賞、福田靖子賞、音楽奨励賞を受賞。第17回浜松国際ピアノアカデミーコンクール第5位、モスト・ プロミシング・アーティスト受賞。2007年より10年連続でピティナ・ピアノコンペティション全国決勝大会において入賞し、2016年には特級銀賞、聴衆賞を受賞。2017年第21回松方ホール音楽賞第1位受賞。NHK Eテレアニメ「クラシカロイド」作中原曲演奏を担当。2018年マルタ国際ピアノコンクール第2位。CHANEL Pygmalion Days 参加アーティスト。
2013年より大阪、京都、東京、横浜、水戸、名古屋、チェンマイ(タイ)等各地でリサイタル・コンサートに多数出演。これまでに大阪フィルハーモニー交響楽団、関西フィルハーモニー管弦楽団、大阪交響楽団、東京交響楽団、日本フィルハーモニー管弦楽団等と共演。2011年より6年連続で大阪府高石市教育委員会より表彰される。2013年~2015年度ヤマハ音楽振興会音楽奨学支援奨学生、2017年度公益財団法人青山音楽財団奨学生。現在、石井克典、江澤聖子、武田真理、半澤佑果の各氏に師事。