鈴木舞&實川風 デュオコンサート 第3弾
進化し続けるゴールデンデュオ!!
ドイツロマン派の輝き、孤独、慈愛──
メンデルスゾーンとブラームス。19世紀を代表するドイツ・ロマン派の作曲家は、それぞれ3曲のヴァイオリンソナタを世に残しました。今回は、二人がいずれも最後に完成させたソナタを取り上げます。
メンデルスゾーンのヴァイオリン・ソナタ ヘ長調はヴァイオリン協奏曲と同時期の1838年に書き上げたものの、1世紀以上経った1950年代に発見、出版されました。明るく高貴なエネルギーに満ち溢れています。
この作品からちょうど50年後に完成されたブラームスのヴァイオリン・ソナタ第3番は、友人の相次ぐ訃報に触れた直後に書かれました。メンデルスゾーンのソナタが持つ雰囲気とは対照的に、孤独や悲しみ、不安が描かれています。
ブラームスと深い親交があったクララ・シューマンは、今年生誕200年を迎えました。ロベルト・シューマンの妻で、自身も優れたピアニスト、作曲家であった彼女の、美しく慈愛に満ちたロマンス3曲を併せてご披露します。高校来から共演を重ねる實川風さんとのデュオで、ドイツロマンティシズム、そして音楽に投影される作曲家の人間としての深みを感じていただけましたら幸いです。
(鈴木 舞)
プロフィール
鈴木 舞(Mai Suzuki)Violin
東京芸術大学を経て、ローザンヌとザルツブルク、ミュンヘンで研鑽を積む。
2013年ヴァーツラフ・フムル国際ヴァイオリンコンクール(クロアチア)、オルフェウス室内楽コンクール(スイス)第1位。16年スピヴァコフ国際ヴァイオリンコンクール(ロシア)第2位等、内外のコンクールで優勝・入賞を重ね、これまでにスイス、チェコ、フィンランド、クロアチアなどのオーケストラと共演をするほか、各地で室内楽やリサイタルに招かれている。将来を嘱望される新世代のヴァイオリニストとして、2012年度シャネル・ピグマリオン・デイズ・アーティストに選ばれた。
2017年9月にキングレコードよりデビューCD「Mai favorite」をリリース。使用楽器は1683年製のニコロ・アマティ。
Web site:
maiviolin.com
實川 風(Kaoru Jitsukawa)Piano
2015年、パリで行われた名門ロン・ティボー・クレスパン国際コンクールにて、1位なしの第3位、最優秀リサイタル賞を受賞。翌2016年にはイタリア北部、カラーリオで行われたカラーリオ国際ピアノコンクールにて第1位を受賞し、イタリア各地でのリサイタルなど、本格的に国内外での演奏活動を広げる。海外の音楽祭への招待には、上海音楽祭、ソウル国際音楽祭、ノアン・ショパンナイト(フランス)・アルソノーレ(オーストリア)がある。
東京藝術大学附属高校・東京藝術大学を首席で卒業し、同大学大学院(修士課程)修了。グラーツ国立音楽大学ポストグラデュエイト課程修了。山田千代子・御木本澄子、多 美智子、江口玲、マルクス・シルマーの各氏に師事。
掲載インタビュー記事
【鈴木舞さん、實川風さん】秘密がわかる5つのQ&A