美竹サロン123シリーズ【第100回特別記念】感謝コンサート!
123シリーズ第100回に寄せて──
2017年に“1-2-3シリーズ”コンサート(主催公演)をスタートし、現在5年目を迎えていますが、当初の予想以上、期待を遥かに上回る結果を目にすることができています。
これはひとえにこの日本からすばらしい若手演奏家さんが世界に向かってチャレンジし、成果を得ていること、および彼らを熱く応援する方々が多数存在していること、そうした応援者が弊サロンにも集ってくださっていることに尽きると存じています。
しかし、昨年春から現在にかけて、前代未聞のコロナ騒動に見舞われ、一時はまったくコンサートの開催ができないという事態にも遭遇しました。
クラシック音楽の灯を消してはならないというメンバーズの皆様方からの熱いご声援をいただきながら、何とか今日まで繋ぎ続け、ようやく出口が見えてきたのかといった今日の状況です。
そんななか“1-2-3シリーズ”コンサートは【第100回特別記念コンサート】を迎えられることになりました。
これもひとえにメンバーズの皆様方のご支援、ご声援による賜と、心から感謝申し上げる以外にありません。
そこで些細な感謝の印として、メンバーズの皆様には“1-2-3シリーズ”コンサート【第100回特別記念コンサート】(入川舜 ゴルドベルク変奏曲)を無料にてご招待させていただくことになりました。
さらに、お越しいただけた皆様には、当サロン初レーベルとなるCD『バッハ生誕333周年記念ゴルドベルク変奏曲特別演奏会』(ピアノ入川舜:2018年12月22日収録)を贈呈させていただきます!
音楽の原点は人の心を目覚めさせる真理にあり、バッハの原点も宗教を超えたそれにある、特にゴルドベルク変奏曲にはバッハがめざした作曲姿勢の清華が存分に発揮されており、人の人生とはどのようなものであるのか、生きるということの意味、過去・現在・将来、そして永遠なるもの、それらをバッハが渾身の思いによって精魂を傾けて表現した作品、それがゴルドベルク変奏曲ではないかと考えています。
そのため、弊サロンではゴルドベルク変奏曲を特別な作品として位置づけており、可能なかぎり毎年の年末にはゴルドベルク変奏曲の演奏会を開催することにしています。
今般、発売するCD『バッハ生誕333周年記念ゴルドベルク変奏曲特別演奏会』の付録として、そうした聴き方の一つの参考になるようなライナーノーツも付けていますのでお楽しみいただけましたら幸いです。
コロナパンデミックは、わたしたちの社会、経済、個人と個人のコミュニケーションに至るまで、あらゆる生活の場面に大きな爪痕を残しました。
「音楽とは何であったのか、音楽はいったい人に何を与えてきたのか」という根本的な問いまで突きつけるものでした。演奏者と聴衆が、また聴衆同志が親密に接する一つの空間でのサロンコンサート、そのメリットははかりがたく、捨てがたいものです。そもそも、オーケストラ演奏を除いたクラシック音楽の大半が、そうしたサロンでの演奏を念頭に作曲され、演奏されてきたものです。しかしコロナ禍の影響は、大ホールでの演奏会はもちろんのこと、サロンコンサートにも困難な状況を強いて来ました。
今後もそうした状況は続くものと覚悟しながらも、活路を見出して歩んでいきたいと考えています。メンバーズの皆様には、これまでと変わらぬ温かいご支援、ご愛顧をを賜りますようお願い申し上げる次第です。
(美竹清花さろん)
プロフィール
入川 舜(IRIKAWA Shun)Piano
静岡市出身。東京芸術大学音楽学部ピアノ科卒業、同大学院研究科修了。文化庁海外派遣研修員として、パリ市立地方音楽院とパリ国立高等音楽院修士課程でピアノ伴奏を学ぶ。
高瀬健一郎、寺嶋陸也、辛島輝治、迫昭嘉、A・ジャコブ、J−F・ヌーブルジェの各氏に師事。また、L・アンスネスやM・ベロフら世界的ピアニストの薫陶を受ける。パリ・シャトレ座やフィルハーモニーはじめ、フランス各地やスイスで演奏するほか、オーケストラとの共演、室内楽、コンクールや講習会での演奏、録音など、活発な活動を行っている。
「静岡の名手たち」オーディションに合格。神戸新聞松方ホール音楽賞、青山バロックザール賞を受賞。
日本人作曲家の作品を蘇らせたCD「日本のピアノ・ソナタ選」をミッテンヴァルト社より発売、文化庁芸術祭参加作品となる。
2011年デビューリサイタルを開催。以後も、ドビュッシーのエチュード全曲、バッハのゴルトベルク変奏曲など、意欲的なプログラムでリサイタルを行う。
2021年には東京文化会館にてジェフスキの「不屈の民変奏曲」他によるリサイタル(主催:日本演奏連盟)を開催。
ラヴェルアカデミー(フランス)にて歌曲クラスの伴奏助手。2016年から2017年までパリ市立地方音楽院でピアノ講師と伴奏ピアニストを務めた。
現在、 独奏から劇伴まで、幅広いジャンルで活動中。オペラシアターこんにゃく座のピアニストを2018年より務める。東京、渋谷の美竹清花さろんにて、「バッハを辿る」コンサートシリーズを進行中。横浜・馬車道ピアノサロンでもコンサートシリーズを継続している。また、東京混声合唱団や、安達真理(ヴィオラ)、井上ハルカ(サクソフォン)、加藤文枝(チェロ)らの伴奏も務めている。
東京藝術大学非常勤講師。
公式ホームページ:
https://shunirikawa.work/