美竹清花さろん5周年記念に贈る、N響メンバーによるカルテットが紡ぎ出す、
ここだけの贅沢サロンコンサート!
日本には35団体ものプロオーケストラが存在します。(2001現在)日本最古のオーケストラ(?)の発祥は「いとう呉服店(現在の松坂屋)少年音楽隊」(現在の東京フィルハーモニー交響楽団)で1911年創立だそうですが、本格的なオーケストラの誕生は、1927年(昭和2年)の「新交響楽団」として最初の定期公演の開始ということになるでしょう。(2月20日、定期公演開始。近衛秀麿指揮、メンデルスゾーン「フィンガルの洞窟」序曲、モーツァルト「イドメネオ」から舞踊音楽、シューベルト「交響曲「ザ・グレイト」、グリーグの「2つの悲しい旋律」。大正天皇崩御による服喪のため、1ヶ月繰り下げての開催。グリーグは大正天皇追悼の意を込めて演奏)この「新交響楽団」は、1925年(大正14年)にラジオ放送を始めたJOAK(現在のNHK)に出演するようになり(当時は、JOAKオーケストラ、東京放送管弦楽団など色々な呼称があったようです)戦後1951年(昭和26年)にNHK交響楽団となります。
N響の歴史は何と言っても日本人の本格的なクラシック音楽に対する欲求、特に本格的なオーケストラ演奏への渇望を満たしてきたと言えるでしょう。日本のオーケストラファンは、ベルリンフィルやウィーンフィルなど、海外著名オーケストラの演奏に感動し、それに決して引けを取らない高水準のN響の演奏に癒されてきたと言っても過言ではありません。N響の演奏には数多くの伝説の名演奏があります。その質と量でも世界の一流オーケストラに並んでいると言ってよいでしょう。指揮者、共演者も以下のようにキラ星のように。
主な指揮者としては、ローゼンストック、ワインガルトナー、ジャン・マルティノン、カラヤン、ブリテン、ジャン・フルネ、アンセルメ、ブーレーズ、バレンボイム、ノイマン、ギュンター・ヴァント、マルケヴィチ、ガリ・ベルティーニ、マゼール、ストラヴィンスキー、クレツキ、マタチッチ、サヴァリッシュ、カイルベルト、スウィトナー、ホルスト・シュタイン、キリル・コンドラシン、ブロムシュテット、デュトワ、ゲルギエフ、プレヴィン、ズービン・メータ、パーヴォ・ヤルヴィ、ファビオ・ルイージ(2022~)等々、世界のマエストロが多数登場。
共演者としては、シゲティ、ルービンシュタイン、レオニード・クロイツァー、ケンプ、メニューヒン、マリオ・デル・モナコ、レナータ・テバルディ、ティート・ゴッビ、ジュリエッタ・シミオナート、カルロ・ベルゴンツィ、パヴァロッティ、ドミンゴ、ホセ・カレーラス、モンセラート・カバリエ、ニコライ・ギャウロフ、アルフレード・クラウス、レナータ・スコット、フィオレンツァ・コッソット、フィッシャー・ディースカウ、アルゲリッチ等々、伝説の演奏者が多数登板。
NHK交響楽団は、名実共に日本のクラシック音楽の屋台骨を支えてきたと言っていいでしょう。そのNHK交響楽団の新進気鋭のメンバーによる室内楽シリーズが、いよいよ美竹サロンでスタートすることになりました!
偶然にも同じ渋谷という地で活動するNHK交響楽団と美竹清花さろんです。
美竹サロンでの公演内容も、N響定期プログラムに関連性を持たせて組まれることになっています。
記念すべき第一回は今年2022年、美竹サロン創立5周年記念にあたる5月5日の特別公演です。
今回の演目はバッハ作曲フーガの技法を中心に、オーケストラを凝縮した究極の室内楽である弦楽四重奏でお届けする予定です。
以下、ヴァイオリニストの三又治彦氏よりメッセージをいただいていますので紹介させていただきます。
美竹清花さろん5周年記念おめでとうございます。
私がこの素敵なサロンに出会ったのは昨年の事でした。自身が運営するNPO法人において「このコロナ禍においてでしかできない企画をしよう」と思い立ち、会場探しをしたのがきっかけです(内容はヒンデミットとバッハの世界《対位法特集》というとてつもないマニアックなものでした)。
色々なところを探し、そして連絡をしました…その中で美竹清花さろんにしよう!と決心したのは駅近のロケーション、お客様と一体感を生む近い距離感、そしてなにより初めて利用する私たちへのスタッフ皆様の丁寧な対応が決め手となりました。
渋谷に本拠地を置くNHK交響楽団に所属していながらこのような素敵な空間があることを知らず過ごしてましたが、今は早く知っておけば!と思うと同時に、新たな出会いによって5周年記念の演奏ができる事大変嬉しく、感謝しております。
さて、5周年記念のこの公演、偉大なる2つのフーガと音楽の冗談の極致ともいうべき作品が並べられております。こんな濃いプログラムをお祝いの記念演奏会にするのは世界広しといえどもここしかないと確信できます!ヒンデミットのオランダ人の序曲…朝7時に起きたばかりの人たちが初見で弾いたらこうなる…というヒンデミットのユーモアあふれる楽曲です。音程がずれるのもリズムがずれるのも全てはヒンデミットの計算によるものです。決して奏者が下手なわけではありません。
バッハ作曲「フーガの技法」は対位法の集大成といって過言ではない作品。そこにはまるで宇宙のような世界が広がっております。音符という記号から音楽へ変換しようと対峙した時、バッハの作る音楽の世界の偉大さ、スケールの計り知れない大きさにやられそうになります。その「フーガの技法」と並び立つ古典派にしながらどの時代においても現代曲と評されてもおかしくない先鋭的な作品がベートーヴェンが生み出した大フーガです。弾いていても、聴いていても何が主題でどう展開しているのか…演奏者にとっても聴衆にとっても難しい曲です。しかし!すさまじい緊張感と時折瞬間的に訪れる天から光が差し込んだ響き、祈りの…その音楽を聴いた人々は20分弱の曲の中に様々な情感がわき上がり、やみつきにさせる魅力を秘めております。
5月5日美竹清花さろん、笑い、緊張、祈り、幸福感、絶望感!?
偉大な作曲家たちが残してくれた音楽の世界を味わいにきてください。
(三又 治彦)
プロフィール
三又 治彦(MIMATA Haruhiko)Violin
桐朋学園音楽学部演奏学科卒業。2006年にNHK交響楽団に入団。現在ヴァイオリン次席奏者。2008年にハマのJACK(現在は特定非営利活動法人)を仲間とともに立ち上げ、未来の音楽家支援を目的とした「金の卵プロジェクト」、家族で楽しめる音楽プロジェクト等クラシック普及活動を行っている。またウィーンフィルハーモニー交響楽団メンバーとの共演等、室内楽、リサイタル等幅広く活動している。NPO法人ハマのJACK理事長。
倉冨 亮太(KURATOMI Ryota)Violin
東京藝術大学音楽学部弦楽科を首席で卒業。在学中に福島賞、安宅賞、三菱地所賞等受賞。同大学修士課程修了。ロームミュージックファンデーション2016年度奨学生。シゲティ国際コンクール入賞。リピッツァー国際コンクール最高位、聴衆賞等の特別賞受賞。別府アルゲリッチ音楽祭、リゾナーレ音楽祭、軽井沢国際音楽祭、北九州国際音楽祭、東京・春・音楽祭など出演し、活躍の場を広げている。これまでに千田成子、清水高師、篠崎史紀各氏に師事。東京ジュニアオーケストラソサエティ講師。現在、NHK交響楽団次席代行ヴァイオリン奏者。
村松 龍(MATSUMURA Ryo)Viola
6歳よりバイオリンを始める。東京音楽大学付属高校を経て同大学卒業。卒業時に読売新人演奏会出演。
1995年第49回全日本学生音楽コンクール東京大会小学生の部第2位。
2003年第4回大阪国際コンクール高校の部3位(1位、2位なし)2007年東京音楽大学コンクール第1位。NHK交響楽団アカデミーを経て、現在NHK交響楽団次席ビオラ奏者。ハマのジャックメンバー。各オーケストラでゲスト首席、室内楽、ソロ、アマチュアオーケストラ指導などでも活躍している。
小畠 幸法(KOBATAKE Yukinori)Cello
NHK交響楽団チェロ奏者。
東京藝術大学音楽学部卒業。同大学院音楽学部修士課程修了。
これまでに金木博幸、間瀬利雄、苅田雅治、山崎伸子、藤森亮一の各氏に師事。
マスタークラスをW.ヴェッチャー、P.ドゥマンジェ、D.ゲリンガスに師事。
キジアーナ音楽院国際アカデミー、小澤国際室内楽アカデミー参加。JTが育てるアンサンブルシリーズ、JTアフィニス アンサンブル セレクション特別演奏、フジロックフェスティバル2018G&G Miller Orchestra等多数出演。