超絶技巧から“癒しと安らぎ”まで、
鍵盤の魔術師=佐藤彦大の音のパレットで彩る不滅の名曲の花束!
佐藤彦大といえば、魔術のような音色の多彩さがまず思い浮かぶ。
これまで得意なシューベルトからベートーヴェン、バッハのゴルトベルク変奏曲に至るまで、数々の"彦大マジック"を目の当たりにしてきた。
佐藤氏はリハーサルで徹底的に時間をかけ、ピアノ一台一台の特性を見抜き、ピアノ一台一台と仲良くなってしまう。
さらに、会場が持つ響きとピアノの音色と本来持っているポテンシャルを掛け算し、それを最大限引き出せるように緻密に計算しているようだ。
近年、コンクール・ラッシュということもあり、ピアニストたちはテクニックだけでなく全般的に高度な水準に達しているようだ。
超絶技巧で聴衆を圧巻するピアニスト、美しいフレージングで歌心が豊かなピアニスト、思いきり響かせて聴衆を魅了するピアニスト、特長はさまざまだ。
そんななか、音色を多彩に操ることができるピアニストは案外少ないような印象だ。
3色のみをうまく使い、他の要素でカバーする人。7色の音色をグラデーションのように試みる人…さまざまである。
では、佐藤彦大はどうだろう?
何色の音のパレットを備えているのか計り知れない、とにかく多彩なのだ。手の運びを見ると、タッチの種類が実に豊富なことがわかる。
名曲と謳う類の公演はたびたび目にするが、正直なところ、集客以外の目的を持って取り組んでいる公演は案外少ないような気がする。
しかし、名曲には名曲の理由があるはずだ。普遍的な魅力を放っているのは、分かりやすいという側面のみではないはずだ。
これまでの美竹サロンは、どちらかといえば、演奏家さんが本気で取り組んでみたい、芸術として掘り下げてみたい稀少な曲やニッチな作品を扱うことも少なくなかった。
しかし今回はそうしたアプローチとは異なり、正々堂々と名曲中の名曲に真っ正面から取り組んでみようという挑戦的な試みである。
誰もが知っている名曲ばかりを並べるということ、しかもクラシック初心者を対象とした娯楽的な要素など皆無の耳の肥えた本格的な聴衆の前でそれを試みるということは、実はピアニストにとっては大変な緊張を強いられるものであろう。余程の自信がなければ臨むことはできないだろう。
しかも、一括りに名曲といっても、バッハ、モーツァルト、シューベルト、ショパン、リスト、ドビュッシー、ラヴェル、ラフマニノフと、実にさまざまな作品と時代を巡るプログラムである。
こうしたプログラムであるからこそ、ピアノの魔術師=佐藤彦大の独壇場となるのではないか。
軽く聞き流すことの多いこうした名曲の中に、未知の新たな発見があるのではないか。
クラシックへの憧れをつくってくれたこうした作品たちに、先入観なくオープンマインドで向かい合うことができる貴重な機会になるだろう。
しかも佐藤彦大の音のパレットから紡ぎ出される稀少なチャンスだ。
(渋谷美竹サロン)
プロフィール
佐藤 彦大(SATO Hiroo)Piano
盛岡市出身。東京音楽大学大学院(ピアノ・エクセレンス)修了、ベルリン芸術大学及びチャイコフスキー記念国立モスクワ音楽院において更なる研鑽を積む。在学中ロームミュージックファンデーション、明治安田クオリティオブライフ文化財団より奨学金を得る。2007年第76回日本音楽コンクール第1位、2010年第4回仙台国際音楽コンクール第3位、2016年第62回マリア・カナルス・バルセロナ国際音楽コンクール第1位。大友直人指揮/東京交響楽団、小林研一郎指揮/日本フィルハーモニー交響楽団、広上淳一指揮/京都市交響楽団、山下一史指揮/仙台フィルハーモニー管弦楽団、L.ヴィオッティ指揮/ビルバオ交響楽団、A.サラド指揮/セビーリャ王立交響楽団等、国内外の主要オーケストラと共演。録音ではライヴ・ノーツより「Hiroo Sato plays 3 Sonatas」「Hiroo Sato Piano Recital」、ベルウッド・レコードより「Japonisme菅井知延子作品集」をリリース。また、2020年には「佐藤彦大アンコールピース集」を自主制作した。現在、東京音楽大学専任講師、桐朋学園大学非常勤講師。ミリオンコンサート協会所属アーティスト。
https://www.hiroosato-hikodai.com
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