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田所光之マルセル ピアノリサイタル〈ヘンゼルト〉

2024年08月18日 [日]
開場17:30 開始18:00
渋谷美竹サロン

出演

田所 光之 マルセル(Marcel Tadokoro)Piano

「心と指が完全に一致し、どんな音楽でも自在に操ることができる真の音楽家」(グラモフォン誌)
2021 年のエリザベート王妃国際コンクールのセミ・ファイナリスト、モントリオール国際音楽コンクールのファイナリストを経て、2022 年はヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールでジョン・ジョルダーノ審査員長特別賞、サンタンデール国際ピアノコンクールでは第 3 位を受賞。これまでウラル・フィル、フォートワース響、ワロニー・ロイヤル室内管などと共演している。
日本人の父とフランス人の母の間に生まれ、多様な文化の中で育った幼少期は、田所の音楽観に多大な影響を与えた。名古屋市立菊里高等学校音楽科卒業後、パリ国立音楽院に満場一致の首席で入学。そしてJ-F.エッセール、F.ボファールの両氏に師事し、行われたドビュッシー国際コンクールでは第 2 位を受賞。ほかにも数多くのコンクールで受賞を果たしている。同音楽院を卒業してからは、エコール=ノルマル音楽院に奨学生として入学し、R.シェレシェフスカヤのもとでさらに自らの音楽に磨きをかけている。
ほかにもO.ガルドン、M.ラフォレ、A.ロマノフスキ、海老彰子、田島三保子、鈴木彩香、長野量雄、水村さおりの各氏にも師事。


*やむを得ない事情により日時・内容等の変更、中止等がある場合がございます

プログラム

ヘンゼルト:エチュード全曲(Op.2, Op.5)
《12の演奏会用性格的エチュードOp.2》
第1曲「嵐よ、汝は私を打ちのめすことは出来まい」
第2曲「少しは私のことを思っておくれ、常にお前を思っている私を」
第3曲「私の望みを聞き入れて」
第4曲 デュオ──愛の安らぎ
第5曲 嵐の人生
第6曲「もしも私が鳥だったら、お前の元へ飛んでゆくのに」
第7曲「青春、の翼を備えしもの」
第8曲 お前は私を惹きつけ、魅惑し、溺れさせる
第9曲 初恋、至上の喜び。お前は私の元を去ったが、想い出は二人のもの
第10曲 小川が大海に流れ込んでゆくように、愛しい人よ、私の心はお前を待ち受けている
第11曲「愛しい人よ、もう眠ったかい」
第12曲 愛の苦悩と思い出、ああ何と揺れる心! 私の心臓は高鳴る

《12のサロン用エチュード Op.5》
第1曲 エロイカ
第2曲
第3曲 魔女のダンス
第4曲 アヴェ・マリア
第5曲 失われた祖国
第6曲 嵐のあとの神への感謝
第7曲 妖精の踊り
第8曲 ロマンス
第9曲
第10曲 失われた幸福
第11曲 恋の歌
第12曲 夜の幽霊の行列

チケット情報

当日、現地払いでお願いいたします。

5,000円(一般・全席自由席)
4,500円(会員・指定席あり)
2,500円(学生・全席自由席)

※会員のご紹介はこちら
http://mitakesayaka.com/regular-member

★8Fラウンジにてウェルカムドリンクとお茶菓子をご用意しております。

お問い合わせ先

主催渋谷美竹サロン/株式会社ILA
03-6452-6711
070-2168-8484
info@mitakesayaka.com

多彩な音色、精緻な美、詩情に満ちた高貴な旋律──
後世に多くの影響を与えた2人の作曲家によるサロン音楽の愉しみ方を、
いま注目の田所光之マルセルが提唱する!


超絶技巧ですが音楽的に充実したヘンゼルトのエチュード全曲。ドイツで生まれでロシアに渡り、チャイコフスキーやラフマニノフに影響を与え、リストが絶賛するほどの偉大なヴィルトオーゾであったヘンゼルトの最高傑作。あまり弾かれませんがぜひこの機会に聴いていただきたいです。
サロンという空間ならではのプログラムをぜひお楽しみください。
(田所光之マルセル)

今回は、かねてより注目していた田所光之マルセル氏が初登場となる!
エリザベート王妃国際コンクール、モントリオール国際音楽コンクール、 ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールなど、
巨匠たちの登竜門ともいえる数々の名門コンクールで、国際的に名を馳せてきた正真正銘の本格派だ。

美竹サロンでの演奏プログラムは、歴史に耐えてきた珠玉の名曲はもちろんのこと、
それとは別に、それぞれの演奏家が探究の末に発見した芸術の披露も上記に代えがたい価値があるものと考えている。
メトネル、メシアン、フランスバロック等々の作品による演奏会や、長期のプロジェクトでいえば、演奏者の覚悟と、精神力・体力を要するようなプロコフィエフやベートーヴェンのソナタ全曲等々も開催してきた。
いずれの演奏会でも、演奏者の芸術的探究の“魂の爆発”とでも言えるような瞬間を体験することができ、
これこそがサロンコンサートの醍醐味ではないだろうか、という感慨を抱いたものである。
今回の田所光之マルセル氏の公演も、注目に値すべき異彩を放ったプログラムとなっている。

アドルフ・フォン・ヘンゼルト(1814-1889)

ロマン派の最盛期である19世紀に生きたドイツの作曲家でピアノの名手だ。
近年、その功績が再評価されているそうだが、知名度は決して高くはない。
しかし、ロシアの音楽教育やフランス音楽に影響を与えたとされており、クラシック音楽の歴史において、実は重要な人物だ。
ピアノの腕前では、かのフランツ・リスト(1811-1886)が「ビロードの掌」と呼んで絶賛するほどで、セルゲイ・ラフマニノフ(1873-1943)からも高く評価されていた。
ピアノの名手が手がけたエチュードといえば、ショパンのエチュードが有名だが、全体を通した統一感と音楽性の深さに共通点を感じられる。
ヘンゼルトのエチュードは、多彩な音色、精緻な美、詩情に満ちた旋律が魅力的である。
ショパンのエチュード並に評価されても決して不思議ではないのではないか…。

セット公演のもう一方の公演では、ラヴェル弦楽四重奏曲のピアノ版がメインプログラムとなっている。こちらもなかなか挑戦的な内容だ。
<プログラム>
ラヴェル:夜のガスパール
ラヴェル:弦楽四重奏曲 ヘ長調(ルシアン・ガルバン編ピアノ独奏版)


オリジナルの弦楽四重奏版では名盤も多く、この作品のファンも多い。
ラヴェルの持つ独自の音楽性をどう表現すれば適切だろうか、「まるで空気が変わるようだ」というけれど、温度や風向き、香り、光が精巧に変化していくような美しさが、この作品にはふんだんに描かれている。
クラシックを愛する人であればヘンゼルトほどマイナーではなく、好意的に触れる機会の多いモーリス・ラヴェル(1875-1937)だが、フランス音楽に影響を与えたヘンゼルトとの組み合わせは実に興味深い。

日仏のルーツを持つ田所氏、また、曲の構造を巧みに把握する才能を持ち、自身でも編曲を手がける才能のある彼だからこそ、ぜひ聴いてみたい貴重な公演となっている。
(渋谷美竹サロン)