イベントを読み込み中

鈴木舞&川口成彦 シューベルトの詩情《Vol.1》 〜ヴァイオリンとピアノのためのデュオ作品全曲演奏会〜

2025年04月12日 [土]
開場13:30 開始14:00
渋谷美竹サロン

出演

ヴァイオリン鈴木 舞
鈴木 舞(SUZUKI Mai)Violin

東京藝大附属高校、同大学卒業。スイス、オーストリア、ドイツにて研鑽を積み、ディプロマ、ドイツ国家演奏家資格を取得。
ヴァーツラフ・フムル国際ヴァイオリンコンクール(クロアチア)第1位、オルフェウス室内楽コンクール(スイス)第1位他、多くの国際コンクールで優勝、入賞を重ね、ソリストとして欧州、アジア、南米等でツアーを行う等、世界各地でリサイタルやオーケストラに招かれる。
国内では、宮内庁主催皇居桃華楽堂での御前演奏会に出演、シャネル・ピグマリオン・デイズ・アーティストに選出された他、サントリーホール、王子ホール等の主要なホールで公演を重ねている。
これまでに、ヨルマ・パヌラ、イヴァン・レプシッチ、ニコラス・ミルトン等の指揮で、スイス・ローザンヌ室内管、フィンランド・クオピオ響、ドイツ・ホーフ響、チェコ・モラヴィアフィル、読売日響、東響、日本フィル等と協奏曲を共演している。
キングレコードよりデビューCD「Mai favorite」がリリース。日経ミュージックセレクションCDでは東響とベートーヴェン、マスネを収録した。 2025年3月にセカンドCD「翼」をリリース。
使用楽器は株式会社atsumariを通じて貸与されている1682年製 Nicolo Amati “Grand Amati”

 

 

川口 成彦(KAWAGUCHI Naruhiko)Piano

1989年に岩手県盛岡市で生まれ、横浜で育つ。第 1 回ショパン国際ピリオド楽器コンクール第2位、ブルージュ国際古楽コンクール最高位、第1回ローマ・フォルテピアノ国際コンクール優勝。フィレンツェ五月音楽祭や「ショパンと彼のヨーロッパ」音楽祭(ワルシャワ)をはじめ欧州の音楽祭にも出演を重ねる。協奏曲では18世紀オーケストラ、 {oh!} Orkiestra Historyczna などと共演。2018年にはロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団のメンバーと共に室内楽形式によるピアノ協奏曲のリサイタルをオランダにて開催した。またモダンピアノでは2016年にアメリカにて世界的オーボエ奏者ニコラス・ダニエルと共にプーランクの『オーボエ、バソンとピアノのための三重奏曲』の最終稿の世界初演を行っている。東京藝術大学/アムステルダム音楽院の古楽科修士課程修了。フォルテピアノを小倉貴久子、リチャード・エガーの各氏に師事。欧州のレーベルからリリースされたCDに加え、2018年には自主レーベル MUSIS を立ち上げ、第一弾としてバルトークの『2 台のピアノと打楽器のためのソナタ』をアナログレコードでリリースする。またスペイン音楽をこよなく愛し、2019 年にCD『ゴヤの生きたスペインより』を発表する(レコード芸術/朝日新聞特選盤)。2020年にはACOUSTIC REVIVEより『ショパン 夜想曲&小品集』を発表。第46回日本ショパン協会賞受賞。

プログラム

シューベルト:
ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ 第2番 イ短調 D.385
華麗なるロンド ロ短調 D.895
高雅なワルツ集 D.969(ピアノソロ)
ヴァイオリン・ソナタ イ長調 D.574

チケット情報

当日、現地払いでお願いいたします。

5,000円(一般・全席自由席)
4,500円(会員・指定席あり)
2,500円(学生・全席自由席)

※会員のご紹介はこちら
https://mitakesayaka.com/members/

★8Fラウンジにてウェルカムドリンクとお茶菓子をご用意しております。


お問い合わせ先

主催渋谷美竹サロン/株式会社ILA
03-6452-6711
070-2168-8484
info@mitakesayaka.com


鈴木舞 × 川口成彦 シューベルト・シリーズ開幕!
シューベルトの詩情が息づく──特別な二人が紡ぐ、極上の室内楽


シューベルトという作曲家は、音楽のなかに言葉にならない詩情を宿らせる天才だ。

若き詩人が静かに語りかけるような清澄さに、シューベルト特有の叙情と陰影が滲むソナチネ第2番 イ短調 D.385。
舞曲の高揚感と晩年の円熟が交錯し、単なる華やかさにとどまらない奥深さを秘めたロンド ロ短調 D.895。
ワルツという形式を超え、洗練と気品に満ちつつも、奥に秘めた静かな哀愁が漂う高雅なワルツ集。
そして、若き日のシューベルトが音楽の喜びに溢れ、その歓びをそのまま譜面に書き留めたかのような、明るさと軽やかさが印象的なソナタ イ長調 D.574。
これらの作品を通して、シューベルトの音楽の本質が改めて浮かび上がることだろう。

さて、第1回から"本気度"が伝わる、シューベルトの室内楽ならではの輝き、熱情、品格、抒情性が凝縮された、非常に完成度の高いプログラムだ。

「シューベルトは表現が難しい」とよく言われるが、その理由を一言で表すのは難しい。
彼の音楽には、ただ美しい旋律があるだけではない。
シューベルトの心の機微に寄り添い、それを表現することこそが、演奏者に求められる。
それは、言葉にならない想いが、時間の流れの中でふと立ち止まり、響きとなって私たちに語りかける瞬間。
どこか内省的でありながらも、決して閉じたものではない。
まるで、孤独の中にあっても、人が何かを語らずにはいられないように──
かと思えば、物静かなシューベルトの内に秘められた芸術性が、突如として爆発するようなデモーニッシュな一面を見せることもある。
シューベルトは決して単純な作曲家ではないのだ。

底知れぬ魅力を持つシューベルトの音楽を、鈴木舞 × 川口成彦デュオがどう表現するのか──期待は高まるばかりだ。

鈴木舞氏のヴァイオリンは、ダイヤモンドの粒が踊るような音色で、時に情熱的に、そして夢見るように繊細に、表情豊かに歌いあげる。
作品ごと真剣に音楽に向き合い、時に大胆に演じ切るその姿は、まるで女流剣士のよう。
シューベルトの音楽は奏者によっては単調に聴こえてしまうこともあるが、彼女の演奏はその真逆。
聴き手を最後まで引きつける力に満ちている。
一方、川口成彦氏のピアノは、精妙なニュアンスに満ちたフレーズの美しさが際立ち、対話を重んじた響きで会場を包み込む。
彼のピアノは、語るように歌い、歌うように語る。
シューベルトの音楽が持つ詩情と妙にフィットするのは、偶然ではないだろう。
その響きはまるで、シューベルトが部屋の片隅で即興を弾いているかのような、親密な空間を生み出す──

芸大時代の同級生である二人のアンサンブルは、まさに息がぴったりだ!
二人とも本番だからこそ生まれる”インスピレーション”を大切にする演奏家。
だが、そもそもそのインスピレーションを与えられる存在であることこそが、彼らの天賦の才なのだ。
単なる技巧の見せ場ではなく、作品の奥にある「語られざるもの」に耳を澄ませるとき、そこにはきっと、シューベルトの音楽が持つ「言葉にならない詩」が満ち、無限の広がりを感じることができるだろう。

このシリーズでは、そんなシューベルトの真髄を、じっくりと味わう時間となることだろう。(渋谷美竹サロン)