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鈴木舞&福原彰美デュオCD発売記念コンサート

2025年06月14日 [土]
開場14:30 開始15:00
渋谷美竹サロン

出演

鈴木舞(SUZUKI Mai) Violin
東京藝大附属高校、同大学卒業。スイス、オーストリア、ドイツにて研鑽を積み、ディプロマ、ドイツ国家演奏家資格を取得。
ヴァーツラフ・フムル国際ヴァイオリンコンクール(クロアチア)第1位、オルフェウス室内楽コンクール(スイス)第1位他、多くの国際コンクールで優勝、入賞を重ね、ソリストとして欧州、アジア、南米等でツアーを行う等、世界各地でリサイタルやオーケストラに招かれる。
国内では、宮内庁主催皇居桃華楽堂での御前演奏会に出演、シャネル・ピグマリオン・デイズ・アーティストに選出された他、サントリーホール、王子ホール等の主要なホールで公演を重ねている。
これまでに、ヨルマ・パヌラ、イヴァン・レプシッチ、ニコラス・ミルトン等の指揮で、スイス・ローザンヌ室内管、フィンランド・クオピオ響、ドイツ・ホーフ響、チェコ・モラヴィアフィル、読売日響、東響、日本フィル等と協奏曲を共演している。
キングレコードよりデビューCD「Mai favorite」がリリース。日経ミュージックセレクションCDでは東響とベートーヴェン、マスネを収録した。 2025年3月にセカンドCD「翼」をリリース。使用楽器は株式会社atsumariを通じて貸与されている1682年製 Nicolo Amati “Grand Amati”

福原彰美(FUKUHARA Akimi) Piano
14歳で浜離宮朝日ホールにてソロリサイタルを開催し、ライブ録音を学研プラッツよりCD発売。15歳で単身渡米し、サンフランシスコ音楽院、ジュリアード音楽院で研鑽を積む。国内外の著名アーティストから信望が厚く、クリスティーヌ・ワレフスカ(チェロ)、ナサニエル・ローゼン(チェロ)、ピエール・アモイヤル(ヴァイオリン)各氏と共演を重ねる。年によりリリースしたソロアルバム『ブラームス:ピアノ小品集』がレコード芸術誌で準特選盤、オーディオアクセサリー誌で特選盤に選出。東京交響楽団(指揮:秋山和慶)、パシフィックフィルハーモニー東京(指揮:山下康介)と共演、サンフランシスコ交響楽団室内楽シリーズ、メトロポリス・アンサンブル公演等で演奏。ニューヨーク・タイムズ、サンフランシスコ・クロニクル、日経新聞等で度々取り上げられ好評を博す。ブラームス研究に注力し、2020年に音楽書『ブラームスを演奏する』(クライヴ・ブラウン、ニール・ペレス・ダ・コスタ、ケイト・ベネット・ウォズワース著)を翻訳。19世紀のピアノ演奏習慣や楽曲解釈に関する深い洞察を培う。2025年にAcoustic Reviveよりブラームス・ソロアルバム第弾をリリース予定。

プログラム

フランク:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ イ長調
ルクー:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ ト長調
シャミナード:カプリッチョ Op.18
スペイン風セレナード Op.150

チケット情報

一般予約開始は2025年3月11日(火)10:00〜を予定しております。
お時間になりましたら「ご予約はこちら」というボタンが表示されますので、今しばらくお待ちください。

当日、現地払いでお願いいたします。

5,000円(一般・全席自由席)
4,500円(会員・指定席あり)
2,500円(学生・全席自由席)

お問い合わせ先

主催渋谷美竹サロン/株式会社ILA
03-6452-6711
070-2168-8484
info@mitakesayaka.com

どこまでも自由に、どこまでも広がる──
音楽の翼を持つデュオ、待望のCDリリース!
19世紀フランス音楽の美と情熱が、今ここに。

 

音楽とは何か。
おそらく、それは単なる技術や名声といったものではない。
ましてや、技巧の誇示や、目に見える華々しさでもない。
そうしたものを超えて、演奏の一音一音の中に、どれほどの思索と情熱が込められているか──そこにこそ、音楽の本質が宿るのではないか。
鈴木舞のヴァイオリンと福原彰美のピアノには、それがある。
今まさに本格的な活動を開始しようとしている「レ・ゼール(翼)」。
このデュオの音楽を言葉で説明するのは難しい。
しかし、その響きはどこまでも自由であり、どこまでも広がってゆく。
まるで“音楽の翼”が、聴く者を未知の空へと運ぶかのようだ。福原彰美は美竹サロンに初登場となる。
14歳でデビューCDを発表し、15歳で単身渡米。
サンフランシスコ音楽院、ジュリアード音楽院で研鑽を積み、すでに20年近いキャリアを持つ。
だが、彼女の道は、いわゆる「コンクール入賞」という形での成功ではなく、実演を通じてその実力を証明してきた稀有なピアニストである。
クリスティーヌ・ワレフスカ、ナサニエル・ローゼン、ピエール・アモイヤル── 錚々たる演奏家たちが彼女のピアノを信頼し、共に音楽を作り上げてきた。
音楽において、巨匠が共演者として指名することほど、確かな評価はない。
そして、そのアモイヤルの愛弟子が鈴木舞である。
現場で磨かれた者にしか持ちえない確信──それが、福原のピアノにはある。
派手な超絶技巧よりも、音楽の本質を。
華やかさよりも、深みを。
彼女の演奏は、まさにその価値を体現している。今回のプログラムは、激情と抒情、重厚さと軽やかさが交錯し、CDに収録されたフランス音楽の多面性を存分に堪能できる、洗練された内容となっている。
フランクの《ヴァイオリン・ソナタ》は、深い情熱と対位法的な構成が融合したロマン派の傑作。循環形式によるドラマティックな展開が、演奏者と聴衆を圧倒する。
私たちは鈴木舞のヴァイオリンによって、この作品に“開眼”したと言っても過言ではない。
ヴァイオリニストなら誰もが演奏し、聴衆にとっても馴染みのある名曲だが、ここまでの説得力と情感に満ちた演奏には、なかなか出会えない。
彼女のフランス音楽に対する鋭敏な美意識とセンスが、この楽曲の持つ深さを際立たせる。
まさに、彼女の十八番と言ってよいだろう。
続くルクーはフランクの弟子であり、この《ソナタ》は、フランクの影響を受けつつも、より儚く、透明感あふれる旋律が特徴。抒情性と陰影に満ちた音楽が、心に静かに響く。
師弟関係を軸に、フランス音楽の継承と変遷を感じさせる流れが自然に生まれる。
重厚な2曲の後、シャミナードの《カプリッチョ》と《スペイン風セレナード》がプログラムを軽やかに彩る。エレガントな技巧とフランスならではの遊び心が、ソナタとは異なる光彩を放つ。

鈴木の研ぎ澄まされた感性と豊かな表現力、福原の知的かつ情熱的なアプローチが融合すれば、それは、ただの技巧のぶつかり合いではなく、本当の意味で音楽が響き合い、語り合う瞬間になるだろう。
それはまるで、一つの物語を紡いでいくようであり、その瞬間に立ち会うことができるのは、まさに幸運なことだ。
“音楽の翼”を持つこのデュオは、どこへ向かうのか──。
その旅路に、私たちも耳を傾け、"翼"を持つ音楽家たちの"風"となれるよう、聴き手である私たちも共に感じ、見届けたい。(渋谷美竹サロン)