卓越したヴィオリストがデュオで初登場!
洗練された美しい音色で紡がれるヴァイオリンとヴィオラの調べ──
杉田恵理というヴィオリストをご存知でしょうか。
国際的に活躍し、フィンランド放送交響楽団の副首席奏者やベルリン・コンツェルトハウス室内オーケストラのゲスト首席奏者を務めるなど、実力派のヴィオリストです。日本国内でも多くの弦楽奏者が彼女を注目し、尊敬する存在として知られています。彼女の演奏を聴くと、その理由がすぐにわかります。
ヴィオラを超越した多様な表現力を持ち、時にヴァイオリンのように歌い上げ、時にチェロのように地を這うような音色で響かせる演奏は、驚くべき解釈の幅広さを感じさせます。しかし、その魅力的な演奏は決して気取りを感じさせないもの。作品を表現するうえで必要な音色と表現力を最大限に活かした演奏スタイルが、彼女の卓越したアンサンブル力と相まって光ります。
今回、さらなる輝きを放つ才能あふれるヴァイオリニスト、鈴木舞氏とのデュオで初登場となります。
杉田恵理氏から演奏に寄せるメッセージが届いており、ぜひ紹介させていただきます。
このたびヴァイオリニスト鈴木舞さんと共演し、美しい渋谷美竹サロンで演奏させていただくことを心待ちにしています。今回のコンサートは、ヴァイオリンとヴィオラのデュオという珍しい編成でお届けします。この編成では、2つの楽器だけで全ての声部を表現し、音楽の立体感や迫力がクァルテットやオーケストラのように広がることが魅力です。
プログラムには、モーツァルトの爽やかなデュオ名曲や、ハンガリーのユダヤ人作曲家ラースロー・ヴァイネルの作品が取り上げられます。ヴァイネルは、コダーイに豊かな才能を認められながらも、反ユダヤ法により活動が制限され、わずか28歳で強制収容所で亡くなりました。彼の作品は民族的でエキゾチックな響きが魅力です。また、私たちと同年代の日本人作曲家平川加恵さんの「さくらさくら変奏曲」、ウクライナの作曲家グリエールの「8つの小品」、そして最後に、華やかなハルヴォルセンの「ヘンデルの主題によるパッサカリア」をお楽しみいただきます。
一見、繋がりがあまりないように見えますが、オーストリア=ハンガリー帝国という繋がりや、私たち日本人のアイデンティティとも言える「さくらさくら」という音楽、さらに現在と過去の戦争と平和を思い起こさせるユダヤ人作曲家ヴァイネルとウクライナ人作曲家グリエールなど、様々な共通点があるバラエティ豊かな選曲となっています。
素晴らしいヴァイオリニスト鈴木舞さんとの初のコラボレーションをお楽しみいただけることを願っております。皆様のご来場を、心よりお待ちしております。
(杉田 恵理)
このたびのコンサートで、杉田恵理と鈴木舞の優れた才能を結集したデュオが、ヴァイオリンとヴィオラの素晴らしい調べを奏でることでしょう。お見逃しなく、ぜひ会場でお楽しみください。
(渋谷美竹サロン)
プロフィール
鈴木 舞(SUZUKI Mai)Violin
東京藝術大学附属高校、同大学を卒業し、ローザンヌ、ザルツブルグ、ミュンヘンでディプロマ、国家演奏家資格を取得。在学中より国内外でリサイタルやコンサートに出演し、これまでに小林研一郎、円光寺雅彦、飯森範親、ニコラス・ミルトン、ヨルマ・パヌラ、イヴァン・レプシッチらの指揮で、読売日響、東響、日本フィル、スイス・ローザンヌ室内管、フィンランド・クオピオ響、チェコ・モラヴィアフィル、ドイツ・ホーフ響、クロアチア放送響、ザグレブ・ゾリステン等と共演。
2007年チャイコフスキー国際コンクール(ロシア)最年少セミファイナリスト、2011年アンリ・マルトー国際コンクール(ドイツ)ファイナリスト。2013年ヴァーツラフ・フムル国際ヴァイオリンコンクール(クロアチア)で優勝、オーケストラ賞。オルフェウス室内楽コンクール(スイス)優勝。2016年スピヴァコフ国際ヴァイオリンコンクール(ロシア)第2位。2018年コープミュージックアワード室内楽コンクール(イタリア)第2位。
2012年度シャネル・ピグマリオン・デイズ・アーティスト。
東京交響楽団と録音したベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲~第3楽章、マスネ:タイスの瞑想曲が日経ミュージックセレクションCD「モーニング・イン・クラシックス」に収録された。2017年にキングレコードよりデビューアルバム「Mai favorite」をリリース。2020年「ルドン、ロートレック展」(三菱一号館美術館)のオーディオガイド、並びにタイアップCDに演奏が使用された。使用楽器は1683年製のニコロ・アマティ。
杉田 恵理(SUGITA Eri)Viola
桐朋女子高等学校音楽科、桐朋学園大学、クロンベルクアカデミー、ベルリン芸術大学、ハノーファー音楽大学卒業。クァルテット・ベルリン・トウキョウ創設メンバ ー、フィンランド放送交響楽団副首席奏者などを経て、ゲスト首席奏者としてベルリン•コンツェルトハウス室内オーケストラ、大阪フィル、新日本フィル、メクレンブルク・シュターツカペレ等に出演。また、ドイツカンマーフィルハーモニー管弦楽団、ブッパータル交響楽団に客演。
2012年ARDミュンヘン国際音楽コンクール弦楽四重奏部門特別賞受賞を皮切りに、オーランド国際弦楽四重奏コンクール優勝、シューベルトと現代音楽国際コンクール第3位、ニールセン国際室内楽コンクール第2位、京都青山音楽賞バロックザール賞受賞、ヨアヒム国際室内楽コンクール第3位など多数受賞。NPO法人イエローエンジェル、文化庁、野村財団、松尾学術振興財団、ロームミュージックファンデーションより助成を受ける。
ハイデルベルクの春、エクサン・プロヴァンス、オスロ室内楽、ヒッツァカーなど数々の音楽祭に出演。ソリストとして大阪フィルハーモニー交響楽団、フランクフルトシンフォニエッタ、フィルハーモニーバーデンバーデン、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団と共演。2022年Orpheus Classicalよりデジタルアルバムを発売。令和3年度坂井時忠音楽賞受賞。現在ドイツと日本を拠点に活動している。
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