演奏に寄せて──
このたび、初めて美竹清花さろんにて演奏させていただけますことをとても嬉しく思っております。
サロンでの演奏会はお客様との距離が近く、ダイレクトにお互いの感情や呼吸を繊細に感じられるところにとても魅力を感じています。
今回のプログラムは私自身が演奏することにずっと憧れてきたシューベルトのファンタジーとサン=サーンスのソナタ1番の大曲をメインに、来年生誕250年を迎えるベートーヴェンのロマンスと2つのヴィルティオーゾピースという弾きごたえ、聴きごたえのあるプログラムです。
そしてピアノも大活躍する今回のリサイタルを支えてくださるのは、初めての共演になります吉武優さんです。
私にとって大きな挑戦になりますが、素晴らしい作品にたくさんの愛を持って演奏したいと思いますので、皆さまのご来場をお待ちしております。
(周防亮介)
独自の感性が光る期待の新鋭、ヴァイオリニスト周防亮介さんが美竹サロンに初登場!
周防亮介さんといえば2016年ヴィエニャフスキ国際コンクール入賞後、活躍が著しい期待の若手ヴァイオリニストの一人です。
初めて彼の演奏を聴いたとき、その音楽性の美しさと、弾き姿の美しさに思わずハッとしたのを覚えています。
周防さんの持つ独自の感性が、クラシック音楽固有のデリケートな感性に素直に感応しているとでも言うのでしょうか、決して誇張しすぎることなく、しかし細やかな配慮の行き届いた音色と豊かな表現力に惹き込まれました。
その穏やかで柔和な第一印象のように、周防さんの音色は慈愛に満ち、誰の心にも優しく響きわたります。さらにそれとは対照的に、力強く太く響きの厚いサウンドもあわせ持っていますので、彼の無限の才能をその細部まで目の当たりにすることができるサロンでの演奏会には期待せざるを得ません。
今回のプログラムは、二つのベートーヴェンのロマンスからはじまり、サン=サーンスの序奏とロンド・カプリチオーソ、エルンストのシューベルトの《魔王》による大奇想曲など、聴きごたえたっぷりの名曲から、サン=サーンスのソナタ第1番やシューベルトのファンタジーといった、一度は生で聴いてみたいロマン派を代表するヴァイオリン曲の傑作を、まるでストーリーが描かれるかのようにプログラムが構築されており期待が膨らみます。
(美竹清花さろん)
プロフィール
周防 亮介(Suho Ryosuke)Violin
1995年京都に生まれ、7歳よりヴァイオリンを始める。
2016年ヘンリク・ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリンコンクール入賞及び審査員特別賞を受賞。その他にも日本音楽コンクールや東京音楽コンクール、ダヴィッド・オイストラフ国際ヴァイオリンコンクール、クロスター・シェーンタール国際ヴァイオリンコンクールなど数々のコンクールで優勝や入賞の実績を持つ。
2015年「第25回出光音楽賞」、2016年「第25回青山音楽新人賞」を受賞。
12歳にて日本の主要オーケストラとの共演を皮切りに、パリ管弦楽団、フランス国立管弦楽団、フランス放送フィルハーモニー管弦楽団、パリ国立歌劇場管弦楽団、ポズナンフィルハーモニック管弦楽団、サンクトペテルブルク国立アカデミー管弦楽団、シュトゥットガルト室内管弦楽団、プラハ室内管弦楽団、アマデウスポーランド放送室内管弦楽団など国内外のオーケストラとも数多く共演している。また、15歳にて初リサイタルを行なって以降、ピアノの清水和音、江口玲、上田晴子の各氏らとの共演を重ねている。2017年にはオクタヴィア・レコードよりファーストアルバム『Souvenir』をリリースした。
これまでに小栗まち絵、大谷康子、原田幸一郎、神尾真由子の各氏に師事し、東京音楽大学特別特待奨学生としてアーティスト・ディプロマコースを修了。現在は江副記念リクルート財団奨学生として、メニューイン国際音楽アカデミーにてマキシム・ヴェンゲーロフ氏の元で研鑽を積んでいる。
使用楽器はNPO法人イエローエンジェルより1678年製ニコロ・アマティを貸与されている。
吉武 優 (Yoshitake Masaru)Piano
東京藝術大学及び同大学院音楽研究科修了。またベルリン芸術大学にてJ.ルヴィエ氏の下で研鑽を積み、ローム・ミュージック・ファンデーション奨学生としてDiploma課程を、文化庁新進芸術家海外研修員として国家演奏家資格課程を修了。
第28回飯塚新人音楽コンクール及び第7回かずさアカデミア音楽コンクール第1位。第81回日本音楽コンクール入選。第69回ジュネーヴ国際音楽コンクールセミファイナリスト。国内外の音楽祭に多数出演の他、オーケストラとも多数共演。
現在、桐朋学園大学および東京藝術大学ピアノ科非常勤講師、東京藝術大学弦楽科伴奏助手。
オフィシャルHP:
http://www.masaruyoshitake.com