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尾城杏奈ピアノリサイタル

2025年08月02日 [土]
開場17:30 開始18:00
渋谷美竹サロン

出演

尾城 杏奈(OJIRO Anna) Piano
ピティナピアノコンペティション特級グランプリ。併せて文部科学大臣賞、スタインウェイ賞を受賞。パリ国際ピアノコンクール(フランス)第 1 位。コニャック国際コンクール(フランス)第1位。イル・ドゥ・フランス国際ピアノコンクール(フランス)第2位。
全日本学生音楽コンクール全国大会第1位。
オクタヴィアレコードより「高崎芸術劇場 大友直人Presents T-shot シリーズ vol.4」「スクリャービン・ピアノ・ソナタ全集 Vol.1、2」をリリース。
これまでに東京交響楽団、関西フィルハーモニー管弦楽団、群馬交響楽団、神奈川フィルハーモニー管弦楽団、藝大フィルハーモニア管弦楽団、トルン交響楽団(ポーランド)等と共演。
NHK FM「リサイタル・パッシオ」出演他、国内外で多数のリサイタルを開催。
2022年、2023年ロームミュージックファンデーション奨学生。2024年野村財団奨学生。2025年度文化庁新進芸術家海外研修制度研修員。
東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校を経て、東京藝術大学を卒業。学部卒業時にアカンサス音楽賞、同声会賞、藝大クラヴィーア賞を受賞。同大学院修士課程卒業時にアカンサス大学院賞、藝大クラヴィーア賞を受賞。エコールノルマル音楽院コンサーティスト課程(最高課程)を審査員満場一致の成績で修了し、現在同音楽院perfectionnement課程に在籍中。
これまでに東誠三氏、日比谷友妃子氏、ブルーノ・リグット氏に師事。

プログラム

シューベルト=リスト:12の歌 S.558より
水に寄せて歌う
君こそわが憩い
魔王
糸を紡ぐグレートヒェン
アヴェ・マリア

グノー=リスト:歌劇「ファウスト」のワルツ S.407 R.166
ショパン:ピアノ・ソナタ 第3番 ロ短調 Op.58

※やむを得ない事情により日時・プログラム等の変更、中止等がある場合がございます

チケット情報

当日、現地払いでお願いいたします。

5,000円(一般・全席自由席)
4,500円(会員・指定席あり)
2,500円(学生・全席自由席)

※会員のご紹介はこちら

★8Fラウンジにてウェルカムドリンクとお茶菓子をご用意しております。

お問い合わせ先

主催渋谷美竹サロン/株式会社ILA
03-6452-6711
070-2168-8484
info@mitakesayaka.com

静けさの中に詩があり、
落ち着きの中に深い情感がある──
尾城杏奈が紡ぐパリゆかりの作品たち

 

華やかさや技巧の誇示ではなく、音楽の“呼吸”そのものに耳を傾けたくなる——
そんな演奏に出会える機会は、実はそう多くない。尾城杏奈のピアノには、聴く者の内側にそっと語りかけるような、詩情の気配がある。
それは決して感情過多な演奏というのではなく、むしろ一音一音を丁寧に慈しみ、音楽の自然な流れを大切にする静かな信念に支えられている。
彼女の演奏には、押し出しの強さや過剰な表現はない。
だが、どんな作品でも自身のペースを乱すことなく、静かに音楽の本質に向き合っていく姿勢が、聴き手の心にじんわりと染み入ってくる。現在、尾城はエコールノルマル音楽院に奨学生として在籍している。
今回は、現地パリでの研鑽のなかで見出した、パリで作曲された作品を中心にプログラムが構成された。
サロン文化の中心地であったパリの香りを、そのままサロンという空間に再現するような一夜になるだろう。惜しくも本大会出場は叶わなかったものの、先般のショパン国際コンクール予備予選での演奏では、とりわけショパン作品との親和性が際立っていた。
形式美や語法を損なうことなく、ナチュラルな歌い口で描かれるショパンは、若き日の作品に宿る“純度の高い抒情”を見事に引き出していた。ふわっとした柔らかな雰囲気に、どこか天然で人懐っこい彼女の人柄は、そのまま演奏にも滲んでいるように思える。
無理のない呼吸、気負いのない表情、どこまでも誠実な音作り──聴いているうちに、こちらも自然と肩の力が抜けていき、ただ「音楽のそばにいる」ことの豊かさに気づかされる。静けさの中に詩があり、落ち着きの中に深い熱がある──尾城杏奈の演奏を、ぜひサロンという親密な空間でご体感いただきたい。(渋谷美竹サロン)