4人の天才が作曲したまさに“究極の対話”ともいえるデュオ
モーツァルト、ベートーヴェン、フォーレ、シューベルト。
まさに"究極の対話"ともいえるデュオの作品からは、それぞれの作曲家の個性と音楽への深い思いが色濃く映し出される。
美竹清花さろんに、東京都交響楽団のヴァイオリン奏者として活躍中のヴァイオリニスト小関郁が登場!
彼女だから語れる、二重奏の魅力と演奏することの意義とは──
ヴァイオリンとピアノの二重奏。
とても一般的な編成ですが、改めて考えてみると大きさも素材も音の出し方も、そして一度に出せる音の量も全く違う2つの楽器の組み合わせであることに気づくこと になります。
弦楽四重奏を中心に3人以上の室内楽に熱中していた学生時代、そしてオ ーケストラに入って大きな編成の中でオーケストラならではの沢山の作品を勉強してきたこの数年間を経て、改めてピアノとの二重奏に取り組んでみようと楽譜を開いたとき、楽譜の見え方が少し変化していたような感覚になりました。
幸いなことに、たくさんの作曲家がピアノとヴァイオリンの二重奏のために本当に数えきれないほどの名曲を残してくれています。今回のプログラムでは前半はモーツァルトのkv.303と、ベートーヴェンがこの2つの楽器のために初めて作曲した初々しさあふれるソナタ、後半はフォーレとシューベルトがそれぞれの人生の晩年と呼べる時期に到達した深い世界の中に入ってみたいと思います。2つの楽器による対話には「親密さ」はもちろん、「競奏」ともいえる激しさなど、多くの可能性があります。
サロンという奏者のやりとりをより近くで感じていただける場所で、藝大の同期で ある入川君とそれぞれの音を持ち寄り、1+1=2以上の力で作品の持つ物語と向き合うことができればと思っています。
「ベートーヴェン全曲」と「シューベルトの幻想曲D.934」という大きな目標を心の片隅に留めながら…
2019年春 小関 郁
プロフィール
小関 郁(Koseki Fumi)Violin
2003年第13回日本クラシック音楽コンクール全国大会第4位。2007年市川市文化会館新人演奏家コンクール優秀賞。東京藝術大学卒業時に同声会賞を受賞し同新人演奏会に出演。第7回東京音楽コンクール入選。東京フィルハーモニー交響楽団、藝大チェンバーオーケストラ等と共演。
室内楽ではクァルテットヴェーネレとして原村・リゾナーレ室内楽セミナーにて緑の風奨励賞、ハイドン賞を受賞。2006年ウィーン国立音大主催夏期国際アカデミーでArtis-Preisを受賞。2007年松尾学術振興財団より第17回音楽助成金を受ける他、多数の演奏会に出演。東京藝術大学付属高校、同大学を経て同大大学院を修了。東京交響楽団を経て、2018年3月より東京都交響楽団ヴァイオリン奏者。ヴァイオリンを益田吾郎、吉村知子、松原勝也、P.シューマイヤーのの各氏に、室内楽を岡山潔、山崎伸子、佐々木亮、松本和将、山本裕康の各氏に師事。
入川 舜(Irikawa Shun)Piano
静岡市出身。東京芸術大学音楽学部ピアノ科卒業、同大学院研究科修了。パリ市立地方音楽院とパリ国立高等音楽院修士課程でピアノ伴奏を学ぶ。
高瀬健一郎、寺嶋陸也、辛島輝治、迫昭嘉、A・ジャコブ、J−F・ヌーブルジェの各氏に師事。パリ・シャトレ座はじめフランス各地やスイスで演奏するほか、オーケストラとの共演、室内楽、コンクールや講習会での演奏、録音など、活発な活動を行っている。
「静岡の名手たち」オーディションに合格。神戸新聞松方ホール音楽賞、青山バロックザール賞(依田真宣(Vn)、内田佳宏(Vc)両氏とのピアノトリオとして)を受賞。
日本人作曲家の作品を蘇らせたCD「日本のピアノ・ソナタ選」をミッテンヴァルト社より発売、文化庁芸術祭参加作品となる。
2011年デビューリサイタルを開催。以後も、2015年のドビュッシーのエチュード全曲など意欲的なプログラムでリサイタルを行う。
パリ市立地方音楽院でピアノ講師と伴奏員を務めた。現在、 オペラシアターこんにゃく座のピアニストを務める。
文化庁海外派遣研修員。Fondation Meyer およびADAMI(フランス)の奨学生。