藝大2年生の新進気鋭ヴァイオリンカルテット"TAKEYUMI"が挑む、16本の弦の可能性!
ヴァイオリン四重奏・・・弦楽四重奏とは違うのか、はて、、?つまりヴァイオリンが4本ということか?あの高音楽器が4つでバスがいないのか、、、そんなものキンキンしてうるさいだけに決まっている、しかも男性奏者だけなんて力んで弾くだけ、、。
私なりに貴方の頭の中を追ってみたのだが、いかがだろうか?
確かに普通ならあり得ない編成だ。室内楽の基本は弦楽四重奏であって、そこからピアノ三重奏やクラリネット五重奏などに派生していく。いずれも1つの楽器では出せない音色、音域を掛け合わせることによって音楽の幅を広げるものだ。その点、私たちのカルテットは不利なこと極まりない。なにせ同じ楽器が4つ並ぶわけなのだから。よって世界的にみても、常設のヴァイオリン四重奏団なるものは存在しないに等しい。
しかし興味深い点もある。一番に感じていただけるのは演奏スタイルの違いだろう。四人四色と表現しても良い。ひとつとして完全に同じ楽器はないことから、各人の持つ「声」の違いが分かりやすく聞こえてくるはずだ。一方、同じヴァイオリンであるということは、アンサンブルのときに互いが溶け込みやすい利点がある。これは私たちの強みだ。
今回は全てのプログラムを四人で演奏する。曲目は古典派から20世紀の作品まで幅広く取り上げた。それぞれの作品の違いと私たちの持ち味の違いを、ワインをテイスティングするように楽しんでほしい。
及川 悠介
プロフィール
Violin Quartette TAKEYUMI
東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校第62期男子ヴァイオリン4人によるグループで2016年に結成された。
同年5月に東京都調布市で行われた震災復興チャリティコンサート「ヴァイオリン重奏の夕べ」では岩手県大槌町より感謝状が贈られるなど、好評を博す。その他にも京都の青山音楽記念館 バロックザールや東京、岐阜、神奈川などでも演奏会を開催。メンバー自身による作曲・編曲活動も行なっている。
TAKEYUMIとは、メンバー4人のそれぞれの名前の頭文字から取ったもので、堅実で芯のある日本人の精神性を象徴する弓道で用いられる竹弓、また、'take弓' (弓使い、弓を手に取る)という意味合いも含まれている。
山本 大心(Yamamoto Taishin)Violin
5歳よりヴァイオリンを始める。第70回全日本学生音楽コンクール東京大会高校の部入選。2016年7月「ジュニアソリストコンサートin浜松」で、かめらーた浜松と共演。2012年より、佐渡裕とスーパーキッズオーケストラに在籍。「題名のない音楽会」等にも出演。これまでに、玉井洋子、泉原隆志、岩谷祐之、和波孝禧、玉井菜採、ヤン・ソンシクの各氏に師事。現在東京藝術大学二年在学中。
清水 健太郎(Shimizu Kentaro)Violin
4歳よりヴァイオリンを始める。5歳より鈴木メソードにて学ぶ。第62回2011年鈴木メソード夏期学校協奏曲の夕べのソリストに抜擢され、W.A.モーツァルト ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調 K.281を演奏。第65回全日本学生音楽コンクール小学生の部全国大会第2位。これまでに、森岡康子、内田輝、宮内道子、漆原朝子、野口千代光、植村太郎の各氏に師事。現在、東京藝術大学二年在学中。
及川 悠介(Oikawa Yusuke)Violin
6歳よりヴァイオリンを始める。今までに石澤清子、佐野貴昭、現在、漆原朝子、野口千代光、木野雅之の各氏に師事。第25回京都フランス音楽アカデミーに参加、公開レッスン受講生を務める。マスタークラス等で、ピエール・アモイヤル、ローラン・ドガレイユ、レジス・パスキエらの指導を受ける。第8回横浜国際音楽コンクール中学生の部第1位、第27回日本クラシック音楽コンクール高校の部第3位。現在、東京藝術大学二年在学中。
島田 光博(Shimada Mitsuhiro)Violon
5歳よりヴァイオリンを始める。 第65回全日本学生音楽コンクール東京大会第1位。Vienna Grand Prize Virtuoso国際音楽コンクール第1位。 The Competition for Young Violinist of Festival Groba 2015(スペイン) 18歳以下の最優秀賞。これまでに服部エリ氏、江口有香氏、故岡山潔氏、野口千代光氏、 漆原朝子氏に師事。2016年1月ポプリホール鶴川にてソロリサイタル( 第34回水曜午後の音楽会)。2018年5月調布フィルハーモニー管弦楽団の定期演奏会にソリストとして招かれプロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第1番を演奏。現在、東京藝術大学二年在学中。