ヴァイオリニストの黒川侑さんといえば、数々のコンクール等の輝かしい受賞歴もありますが、温かく響く美しさ、艶やかさを放つ”音”に多くの聴衆が魅了されてきました。彼の際立って秀逸な職人芸ともいえる妥協のない姿勢から生まれる音楽は、決して冷たいものではなく、身体全体で安らぎを感じることができるような響き・音色によって紡ぎ出され、それはまるで万人を照らし、癒すお天道様のような温かさです。
今回のプログラムは、数多くの国内外のオーケストラとの共演、リサイタルなどを通じて高い評価を受けてきた黒川さんの”こだわり”を大切にした特別なプログラムとなっています。
また、チェリストの伊東祐さんは、黒川さん同様、日本音楽コンクールで1位を受賞されていますが、つい最近の2018年、『葵トリオ(Aoi Trio )』として、第67回ARDミュンヘン国際コンクールピアノ三重奏部門で第1位を受賞し、現地ミュンヘンの聴衆からも極めて絶賛され、日本でも評判となり、この2018年12月14日にはサントリーホール(ブルーローズ)で凱旋リサイタルを行うことになっています。
まさに今をときめく注目のチェリストの伊東さんですが、ソリストとしてはもちろんのこと、室内楽でもその活躍の幅を広げています。
そんな伊東さんは、自然体で穏やかそのもの、オフの日は漫画を読むのが趣味という親しみのある一面を持つ伊東さんです。
ですが、チェロを構えると別人のような驚くべき感性の鋭さによって、溌剌としたアイディアに満ち溢れた音楽を紡ぎ出します。
ヨーロッパでご活躍中の注目のヴァイオリンとチェロの日本のトップアーティストお二人に、弦楽器の魅力についてたっぷりと語っていただきました。
運命の”巡り合わせ”
— クラシック音楽を始めたきっかけはなんですか?
黒川僕は5歳からヴァイオリンを始める前にピアノもやっていたのですが…その頃はのめり込む程には好きではなかったように記憶しています(笑)
そんなとき、ピアノ教室のホームコンサートで、たまたまヴァイオリンを演奏されている方がいて、それを聴いてヴァイオリンという楽器をやりたいと思ったのがきっかけでしたね。
スタッフそうだったのですね。ヴァイオリンを始めたのは何歳くらいの時ですか?
黒川5歳です。ピアノは3歳から始めて、小学校3年生くらいまでは並行して習っていました。
スタッフなるほど。ピアノの後にヴァイオリンに目覚められたというのが、面白いですね。伊東さんは何歳から始められたのですか?
伊東6歳です。小さい頃から母や姉がヴァイオリンを弾くのを見ていて、僕も最初はヴァイオリンをやりたいと言っていたらしいのですが、母親に反対されて…。
スタッフなぜですか?
伊東ヴァイオリンだと、僕の場合、最初に教わるのが母からになるのです。(笑) 当時、僕は反抗心が結構あったみたいで…母が教えたくなかったみたいで、「ぜひ違う楽器を!」と言われました…。
スタッフそれは…最初から破門になってしまったんですね!(笑)
伊東そうなんです(笑)
もともと母はチェロが好きだったこともあり、チェロを始めることになりました。
スタッフへぇ〜。お二人とも今の楽器になったのはまさに”巡り合わせ”だったんですね。
最初、違う楽器を習ってから今の楽器になる演奏家さん、結構多いような気がしますね。
黒川伊東そうですね。
良い音楽は自然と身体に入ってくる
ー 「この曲に出会って、より楽器の魅力を感じるようになった」といったエピソードはありますか?
黒川僕はベートーヴェンの最後の作品の、Op.135のカルテットを初めて聴き終わったとき、なんというか…こんなことがありえるのかと思えて、少し呆然とするくらいだったことを覚えています。弦楽四重奏自体を身を入れて聴くのもそれがほぼ初めてに近かったこともあるかもしれませんが、とても衝撃を受けましたね。
スタッフ一番最初がベートーヴェンのカルテットとは…!たしかにそれは衝撃を受けそうです。
黒川そうそう!
スタッフそれは何歳くらいの時ですか?
黒川高一くらいの時ですね。室内楽はそれまであまり聴いていなかったですが、それから色々な楽器の魅力を考えるようになったのかもしれません。
スタッフそうでしたか。ちなみにヴァイオリン曲も聴かれていましたか?
黒川ヴァイオリン曲ももちろん聴いていますが、普段聴いている編成というとオーケストラ、室内楽と、ピアノあたりが多いですね。
スタッフそれは…ヴァイオリンソロとはジャンルが違う曲ばかりですね!
普通、自分の楽器の専門の曲ばかり聴いてしまうイメージがありますが…。
黒川ヴァイオリンで好きな曲はもちろんたくさんありますが、趣味の範囲になると、聴きたくなる頻度が比較的少ないかもしれません。自分の練習している曲を巨匠が弾いているのを聴いてしまうと、“あぁ、そうか〜…”ってなっちゃうこともありますし…(笑)
スタッフたしかに。ちょっと神経質になっちゃうかもしれないですね。
黒川中でもピアノの曲はすごくよく聴きます。
スタッフそれはまたなんでピアノを?
黒川好きな曲が多いということもありますが、単純にピアノの音が好きなんだと思います。それから一人であれだけ多くの声部を網羅するのは弦楽器には現実的に無理なことですし、そういったことはうらやましく思います。
スタッフなるほど。黒川さんの演奏(合わせ、練習風景)はピアノとヴァイオリンのデュオで何回か聴かせていただいたことがありますが、いい意味で“ピアノの方の指導”がうまいな、という印象を受けました。ソロだけでなく、全体の曲としての曲作りがうまくて、なるほどな〜と毎回納得させられます。
黒川そうですか!?(笑)ありがとうございます。
スタッフ伊東さんは、何かきっかけとなる曲はありますか?
伊東そうですね…小さい頃に、『題名のない音楽会』で石阪団十郎さんがハイドンのチェロコンチェルトの3楽章を弾いているのを見たときの衝撃が印象に残っています。
スタッフへぇ〜
伊東自分がその時(その曲を)やっていたので、親が意図的に見せてくれていたのかもしれません。今でも石坂団十郎さんは本当に素晴らしいと思っている演奏家のお一人です。当時、その生き生きとした演奏に魅せられて、何度も何度も見てしまいましたね!ハイドンのチェロコンチェルトは、もともと特別に好きな曲だったのですが、より一層好きになった体験でした。
スタッフなるほど。ハマると何度も聴いちゃいますよね。
伊東そうですね!特に幼い頃だと、一ついいなと思ったら何度も何度も聴いちゃうみたいなところがありますよね!
スタッフわかります。黒川さんは、そのような体験はありましたか?
黒川そうですね…そういった曲では僕はグールドのゴールドベルクが一番最初だったかな〜。あとはリヒテルの、プロコフィエフ『束の間の幻影』。
スタッフそれは…また、、、私たちと趣味が合いますね!!(笑)
グールドのゴールドベルクは、なんであんなに魔力があるのだろう…と不思議に思います。本当にすごいです。
黒川そうですね。あとは、中学生くらいの時にチャイコフスキーのシンフォニーをよく聴いていました。
スタッフチャイコフスキーはヴァイオリンやピアノのコンチェルトも素晴らしいですが…シンフォニーの方をよく聴かれていたのですね?
黒川はい。最初はシンフォニーの方をよく聴いていました。もちろん、コンチェルトも聴いていましたけどね。
スタッフなるほど。やはりジャンルに分け隔てなく、良い音楽は自然と身体に入ってくるものですね。例えば、自分がピアノをやっていて、ピアノしか聴く耳がなかったとしても、ヴァイオリンやチェロの良い演奏は、有無を言わさず入ってきちゃいます。
自然体だからこそ続けられる
— ご自身が、演奏家として生きていこうと思ったきっかけを教えていただければと思います。
黒川……いやもう、他にやりようがないので(笑)
一同 (笑)
スタッフこの質問は音楽家さん全員にさせていただいている質問なのですが、ある意味で、今までで一番新鮮な答えだったかもしれないです(笑)
黒川やっぱり、どんなときでも、弾いていると楽しいので…。本当に、ただ“楽しいことをやっている”という感じですね。
スタッフそこまでになると、他のことをやっても、多分、音楽に戻ってきちゃうと思うんですよね。例えば、変な話ですが、黒川さんと伊東さんが他の仕事に就いたとしても、それだけの才能があれば絶対に音楽に戻ってきてしまうと思います。
そういう意味では、小さい頃から楽器をされていて、才能が芽を開いて、今こうして活動されているということは、とても素晴らしいことであり、尊いことだと思いますね。
今の世の中、やることがない、自分が何を目指したら良いのか分からないという人がとても多いと思います。ですが、そういう中で、“これ以外はないでしょう”というものを見つけられているというのは、幸せなことではないでしょうか。
黒川自分がやりたくてやっていることを、そのように良く言ってもらえるのは嬉しいです。
スタッフ神様から才能を与えられ、環境や境遇も準備されていないとそうはならないと思います。才能があっても続けられない、というのは良く聞く話しです。
それとは逆の質問になりますが、音楽をやっていて、苦しいと思ったことはありましたか?
黒川弾き方を変えようとして全然弾けなくなってしまったときは、これはもうマズいところにまで来てしまったかもしれないと思ったことはあります。
ですが、それでも練習しちゃうとまた楽しくなっちゃうんですよ(笑)
一同 それはすごい(笑)黒川さんにとって“練習”は趣味のように楽しいもの、という位置付けなのですね。
伊東昔から練習は好きだったんですか?
黒川そうですね。多分、同じことをやっているのが苦じゃない性格だったからだと思うんですが。
スタッフなるほど、気質もありますよね!伊東さんは、練習はお好きですか?
伊東嫌いです。(即答)
一同 (笑)
伊東というより、子供の頃は嫌いでした。発表会や、本番をするっていう感覚や、楽器を触ったりするのは好きでした。
ただ、“練習”っていう言葉の響きがあんまり好きでは無かったですね。親から強制されてやらされているって思うと、余計嫌になっちゃったりして…。(汗)でも練習が自主的なものになってからは、いろいろ工夫して発見があったりと、今は楽しくなっています。
スタッフ親御さんもお姉さんも楽器をされているから、練習をしなければならない雰囲気のようなものが、家庭内で強く感じられるっていうのもあるのかもしれませんね。
伊東ありますね〜。
スタッフでも、本番は大好きなんですね?!
伊東そうですね。例えば、本番をうまくできたとか、前よりできるようになった部分があったりとか、そういうのはとても嬉しかったりして。これまではその積み重ねです。
スタッフなるほど。演奏家に必要な要素として自然体であることが大事だと、どこかで聞いたことがありますが、お二人とも、とても自然体ですね!
黒川伊東そうですかね…(笑)
スタッフもちろん、自分の才能を自覚して、時には自分を作ることも必要だとは思います。
ですがやっぱり、常に自然体でそのまま全部表現するという姿勢は必要だなと思います。すべてステージに出るわけですから…すべてをさらけ出さなきゃいけないという面がありますね。
”芸術家”というと神経質で細かい…という印象ですが、自然体でいることで皆さんどこか肩の力が抜けていて楽観的な人も多いような気がします。
黒川そういう部分もあるかもしれません。
スタッフちなみに音楽をされていて、達成感はどんな時に感じられますか?
黒川やっぱり新しい発見があった時でしょうか。
“こんな音が出せるようになった’’、’’前半部分とここの部分は、こういうふうにつながっていたのか”とか、例えばモーツァルトだと、“たった一音でこんなにも曲の印象が変わるのか!”とか…そういうのが実際に身体でわかってきたと感じる時はやっぱり達成感ありますね。
スタッフ実践されているのが、やっぱりすごいことだと思います。仕事でもなんでも、頭の中だけで“わかった!”と気付く人はたくさんいます。ですが、それを実際にやってのける人というのは限りなく少ないですよね。
その点、音楽家さんの場合はとてもシビアだと思います。“わかった!”って頭で理解することと、ステージに出た時にそれを発揮できるかは別だということが、如実にあらわれてしまうからです。
音楽家さんの場合、理解と実践がセットになっていて、しかもそれは人生を通して追求し続ける…まさに真理の追求そのものと言えるのではないでしょうか…とても尊敬しますね。
黒川先生は、“わかったら半分”とおっしゃっていましたね。
スタッフわかったら半分…厳しくも、的確な言葉です。
伊東さんは達成感を感じる瞬間はどんな時ですか?
伊東僕も黒川さんと同じですね、とても共感できます。例えば、良い本番っていうのは、本番の最中に「この曲はこう思って今日は来たけど、実はこうだったのか…」と新しい気付きや発見など、その瞬間、感じるものがあります。それは、決して一人のときだけではなく、たくさんの人数で弾いているときにもあります。共演する中で、互いに影響され、磨かれることに喜びを感じることもありますし!そして、終わったときに、すごく“良い本番”だったな、と心から感じることができた時、何にも変えがたい達成感が得られますね。
スタッフまさに演奏家冥利に尽きる、ですね。たしかに、本番の奇跡って絶対ありますよね。しかも、聴衆にもそれがはっきりとわかることが少なくないです。
伊東そうだと思います。
スタッフ「いや〜、今日はすごかった!」っていう時…そういう時って、今日は何かあるかもしれない…という予感があることもありますね。
本当に、本番というのはすごいものだと思います。演奏家さんが、常に“そういう発見をしよう”というアンテナを張ってくださっているからこそ、すばらしい本番になるのでしょうね…あくまで聴衆の意見ですけど…。
伊東そのとおりだと思います。
常に謙虚に、演奏では“何かを感じる瞬間”を届けたい
ー どんな演奏家になりたいですか?
黒川時々質問されることなのですが、いつもどう返事ができるか困ってしまいます。
少なくとも一回一回を特別な機会、演奏にできるようにしようと思ってやっていますね。もちろんオイストラフやハイフェッツやグリュミオーのように演奏を…というのはありますが、あまり一度に大きな目標を持ってもできないので。
スタッフストイックですね!ですが実際、一番そこが大事なところなのでしょうね。足元を見ずに、先ばかり見てもしょうがない…ということはあると思います。
黒川そうかもしれないです。練習でも、先を見すぎると逆にうまくいかなくなってしまうこともありますし。
スタッフなるほど。まずは自分の目の前にあるものから、ということですか。黒川さんはステージに立つときは、どんなことを意識されていますか?
黒川ステージで音楽以外に何かを意識する余裕はないです!(笑)ものにもよるけど…。
スタッフなるほど。
ひたすら謙虚にそこにある音楽のみに集中している、ということですか。黒川さんの類い稀なる集中力はそういう意識からきているのか、と納得です。集中しているから、逆に雑念がないということかもしれないですね。
黒川そうかもしれませんが、でもやっぱり怖いですよ!何回弾いても同じようにパシッとハマるっていうタイプではないから(汗)
伊東スタッフそうですか!?
黒川そうですよ!!(笑)だから、本番では毎回同じように恐怖です。
スタッフええ〜!それは、黒川侑の裏側ですね!そういう風には全く見えないので…。
黒川さんは、“どんな音楽家さんになりたい”というよりは、毎回毎回、瞬間瞬間の音楽を大切にされているんですね。それを一番に意識されているっていう回答を聞いたのは黒川さんが初めてです。“こういう演奏家になりたい!”と回答される方が圧倒的に多いので。
黒川もちろん瞬間のために皆準備していくわけなのですが、言われてみればそういうことかもしれないです。以前に舞台でインタビュー形式で話す演奏会で同じ質問を受けた時には、ふと「いつまでにこういう演奏家になりたい」っていうのがあった方がいいのかな、とも思いましたけどね。
スタッフそうですね。その答えは演奏家さんそれぞれの個性が出ますので、良い悪いはないのではないでしょうか。演奏家さん一人一人、今の自分が自然とそう思うことを実践する、その姿勢が音楽を通じて聴衆にも伝わり感動を生むのだと思います。
伊東さんは、演奏しているときに、何を一番大事にしていらっしゃいますか?
伊東僕は、一瞬でも“何かを感じる瞬間”があるような演奏を心がけています。僕自身、コンサートに行って、音楽のなかでその瞬間に立ち会ったとき、心から行ってよかったな、と感じるからです。お客様に、一瞬でもそういうものを持って帰っていただけたら嬉しいですよね。そして、歳を追うごとにちょっとずつその瞬間が増えるようになれればと思っています。歳をとると、どうしても最終的にテクニックは落ちてしまうのですが…それでも熟年の方達は本当に素晴らしいと感じる演奏をされますし、そういう瞬間を届けられるような演奏をし続けたいなと思いますね。
スタッフそれはとても分かります。奏者自身が感動しないとお客様に伝わらないといった言葉は良く耳にしますが、たしかにお客様にも伝わります。
伊東そうですね。一番伝わりますね。
スタッフそれって、音楽の肝じゃないですか!この一瞬を届けたい、とか、この一瞬で感動を共有しようとか…。
そういう思いがないコンサートに行ったことがありますが、やっぱり伝わるものがないなと感じてしまいました。
楽しい、だけでは足りないのが難しいところです。クラシック音楽は”本物”なのでその”本物”を扱うのには、それなりの覚悟や心構えが必要なんですよね…。先ほど黒川さんもおっしゃっていたように、毎回毎回、一瞬一瞬を大事にしているかどうか、これがとても大事なことなんですね。
黒川内田光子さんもそんなことおっしゃっていたと何かで読んだことがありますね。“一瞬で構わないから感動する部分を作りたい”と。
スタッフへぇ〜!内田光子さんですらそういうことを…。
たしかに、演奏からも、音楽について語っている姿からも、音楽が大好きで大好きで仕方ないというか…迸(ほとばし)る想いみたいなものが伝わってきますよね!
後編へつづく
黒川侑&伊東裕デュオコンサート
8本の弦の可能性に迫るーー
ヴァイオリンとチェロのための至極の二重奏。
2019年1月6日(日) 開演18:00
美竹清花さろん
⇨公演の詳細はこちらから
当日プログラム
W.A.モーツァルト: 二重奏曲 ト長調 KV423
E. イザイ: 無伴奏ヴァイオリンソナタ 第2番 イ短調
G. カサド: 無伴奏チェロ組曲 (11)
Z. コダーイ: 二重奏曲 Op. 7
他
*プログラム等は、やむを得ない事情により、 変更になる場合がございます。
プロフィール
黒川 侑(くろかわ・ゆう)Violin
2006年日本音楽コンクール第1位、岩谷賞(聴衆賞)他3つの特別賞を受賞。2015年ルドルフォ・リピツァー国際ヴァイオリンコンクールでAnna Piciulin特別賞、2016年仙台国際音楽コンクールで聴衆賞を受賞。
これまでにスイス・ロマンド管弦楽団、スペイン国立管弦楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団、関西フィルハーモニー管弦楽団、京都市交響楽団、大阪フィルハーモニー交響楽団、大阪交響楽団など国内外のオーケストラとの共演、リサイタルなど多くの演奏会に出演。京都市交響楽団定期演奏会(広上淳一氏指揮)での演奏がCD「名曲ライブシリーズ」に収録された。
また国際音楽祭ヤング・プラハに招待され、ファイナルコンサート(ドヴォルザークホール)で、プラハ室内交響楽団と共演。その後再度招待され、ワルトシュタイン宮殿を始め、チェコ各地で演奏会に出演して高い評価を受ける。
ウィーン、ブリュッセルで研鑽を積んだ後、桐朋学園大学院大学(修士課程)修了、現在エコール・ノルマル音楽院で勉強を続けている。
工藤千博、P.ヴェルニコフ、漆原啓子、堀米ゆず子、藤原浜雄、S.ルセフ、F.シゲティの各氏に師事。
倉敷市芸術文化奨励章、岡山芸術文化賞グランプリ、音楽クリティック・クラブ賞奨励賞、京都府文化賞奨励賞、京都市芸術新人賞、青山音楽賞、出光音楽賞を受賞。
伊東 裕(いとう・ゆう)Cello
1992年奈良県出身。6歳よりチェロを始める。日本演奏家コンクール小学生部門第1位およびグランプリ受賞。泉の森ジュニアチェロコンクール小学生部門および、中学生部門金賞。大阪国際音楽コンクール中学生部門第1位およびジャーナリスト賞、大阪府知事賞受賞。第77回日本音楽コンクールチェロ部門第1位および徳永賞受賞。生駒市市民功労賞受賞。京都フランス音楽アカデミー、草津夏期国際音楽アカデミー、クールシュベール夏期国際音楽アカデミーなどのマスタークラス受講。長岡京室内アンサンブル、関西フィルハーモニー管弦楽団、日本センチュリー交響楽団、神戸市室内合奏団ほか、多くのオーケストラと協演。小澤国際室内楽アカデミー、音楽塾オーケストラ、また中之島国際音楽祭、いこま国際音楽祭、武生国際音楽祭などに参加。朝の光のクラシック、兵庫県立芸術文化センターワンコインコンサートなどに出演。
これまでに斎藤建寛、向山佳絵子、山崎伸子、中木健二らに師事。東京芸術大学音楽学部器楽科を首席で卒業、在学中に福島賞受賞。現在、同大学院音楽研究科修士課程に在学中。
トッパンホールには、2015年7月の山根一仁公演、16年6月のジャン=ギアン・ケラス公演にアンサンブルメンバーとして出演している。