タグ: ピアノ
2017/10/6
こけら落とし【第十夜】佐藤彦大サロンコンサート(ピアノ)
10月6日の佐藤彦大さんのピアノコンサートは、予想を大きく上回るすばらしいコンサートとなりました!
ヨーロッパ、ロシアから5年ぶりに帰国し、日本での本格的な活動が期待されている佐藤彦大(ひろお)さんです。
佐藤彦大さんは、ヨーロッパに渡る以前の2010年に、すでに日本で開催される数少ない国際コンクールである第4回仙台国際音楽コンクールで、日本人最高位の第3位となり、その後、留学されています。
そして、帰国を前にした昨年2016年には、第62回マリア・カナルス・バルセロナ国際音楽コンクールで見事第1位、併せて聴衆賞・グラナドス賞受賞(スペイン)を受賞され、今年帰国されたばかりです。
さて、今回の演奏ですが、まずは、
「モーツアルトとショパン」というプログラムが実に魅力的!
モーツァルトとショパンを、佐藤彦大という未知で稀有の音の魔術師とすら言いたいピアニストの演奏で聴けることに大きな期待を抱かざるを得ません。
で、実際の演奏はどうだったか…
モーツアルトは期待どおりの美しい音で始まり、これぞ佐藤彦大のモーツアルト!という演奏を披露です。
圧巻だったのは、意外や意外、ショパンでした!
モーツアルトにあまりにも期待をしていたので、どんなショパンを聴かせてくれるのだろう、そういった軽い想いでした。
ところが、今までどこでも聴いたことのないようなショパンの演奏でした。
これほどまでの右手と左手の絶妙なバランスを、ピアノの演奏では今までまったく聴いたことがありません。
その結果、以下のような不思議な印象を抱きました。
「いま演奏されているこの曲では、いったい何台のピアノが用いられているのだろう?」
「2台ピアノか、あるいは、ピアノの連弾を聴いているのではないか?」
そんな印象がふつふつと湧いてきました。
一人の優れたピアニストが、実に多彩な音を駆使することがあります。
しかし、どんな音を出しても、同じピアニストであり、別なピアニストが弾いているとまでは感じません。
しかし
佐藤彦大という今までまともに聴いたことがなかったピアニストに関しては、その音の多彩さに、「いったい、何人のピアニストが弾いているのだろう」と感じざるを得ませんでした。
実に玄人好みの演奏と言ったらよいのでしょうか?
決して、ガンガンと鳴らすようなことはしません。
全般的に、軽く鍵盤にふれるだけで音を出すタイプです。
しかし、そのふれ方、タッチの微妙さは特筆に値します。
また、佐藤彦大さんは、指揮者に向いているのではないかとも感じました。
左手で、オケの弦楽器を中心とした通奏低音部を、右手ではそれ以外のすべてを、といった魅力的なオーケストレーションを聴いているような錯覚すら覚える演奏でした。
しかし、やや懸念な点もあります。
現代の住宅では、予め用意された部材を用い、効率よく建築されるのが普通です。そのためには、工場での標準的な加工がセットされているプレハブ住宅、またはプレハブ住宅化が求められます。一本一本の柱にふさわしいような木を求めて山に探しに行くというようなことは決してしないでしょう。
ところが、佐藤彦大さんの演奏は、決してプレハブ住宅、またはプレハブ住宅もどきではありません。
その背後には、大変な時間と労力、創意工夫が求められるのではないでしょうか、、、。
現在の日本には、このような世界に誇れるピアニストが少なからず存在していることに、わたしたちクラシックファンは感謝せざるを得ません。
・・・・・・・・
佐藤彦大さんの次回の出演は12月8日です。
これは絶対に聴き逃すことはできないでしょう。
こけら落とし【第十夜】佐藤彦大サロンコンサート(ピアノ)
10月6日の佐藤彦大さんのピアノコンサートは、予想を大きく上回るすばらしいコンサートとなりました!
ヨーロッパ、ロシアから5年ぶりに帰国し、日本での本格的な活動が期待されている佐藤彦大(ひろお)さんです。
佐藤彦大さんは、ヨーロッパに渡る以前の2010年に、すでに日本で開催される数少ない国際コンクールである第4回仙台国際音楽コンクールで、日本人最高位の第3位となり、その後、留学されています。
そして、帰国を前にした昨年2016年には、第62回マリア・カナルス・バルセロナ国際音楽コンクールで見事第1位、併せて聴衆賞・グラナドス賞受賞(スペイン)を受賞され、今年帰国されたばかりです。
さて、今回の演奏ですが、まずは、
「モーツアルトとショパン」というプログラムが実に魅力的!
モーツァルトとショパンを、佐藤彦大という未知で稀有の音の魔術師とすら言いたいピアニストの演奏で聴けることに大きな期待を抱かざるを得ません。
で、実際の演奏はどうだったか…
モーツアルトは期待どおりの美しい音で始まり、これぞ佐藤彦大のモーツアルト!という演奏を披露です。
圧巻だったのは、意外や意外、ショパンでした!
モーツアルトにあまりにも期待をしていたので、どんなショパンを聴かせてくれるのだろう、そういった軽い想いでした。
ところが、今までどこでも聴いたことのないようなショパンの演奏でした。
これほどまでの右手と左手の絶妙なバランスを、ピアノの演奏では今までまったく聴いたことがありません。
その結果、以下のような不思議な印象を抱きました。
「いま演奏されているこの曲では、いったい何台のピアノが用いられているのだろう?」
「2台ピアノか、あるいは、ピアノの連弾を聴いているのではないか?」
そんな印象がふつふつと湧いてきました。
一人の優れたピアニストが、実に多彩な音を駆使することがあります。
しかし、どんな音を出しても、同じピアニストであり、別なピアニストが弾いているとまでは感じません。
しかし
佐藤彦大という今までまともに聴いたことがなかったピアニストに関しては、その音の多彩さに、「いったい、何人のピアニストが弾いているのだろう」と感じざるを得ませんでした。
実に玄人好みの演奏と言ったらよいのでしょうか?
決して、ガンガンと鳴らすようなことはしません。
全般的に、軽く鍵盤にふれるだけで音を出すタイプです。
しかし、そのふれ方、タッチの微妙さは特筆に値します。
また、佐藤彦大さんは、指揮者に向いているのではないかとも感じました。
左手で、オケの弦楽器を中心とした通奏低音部を、右手ではそれ以外のすべてを、といった魅力的なオーケストレーションを聴いているような錯覚すら覚える演奏でした。
しかし、やや懸念な点もあります。
現代の住宅では、予め用意された部材を用い、効率よく建築されるのが普通です。そのためには、工場での標準的な加工がセットされているプレハブ住宅、またはプレハブ住宅化が求められます。一本一本の柱にふさわしいような木を求めて山に探しに行くというようなことは決してしないでしょう。
ところが、佐藤彦大さんの演奏は、決してプレハブ住宅、またはプレハブ住宅もどきではありません。
その背後には、大変な時間と労力、創意工夫が求められるのではないでしょうか、、、。
現在の日本には、このような世界に誇れるピアニストが少なからず存在していることに、わたしたちクラシックファンは感謝せざるを得ません。
・・・・・・・・
佐藤彦大さんの次回の出演は12月8日です。
これは絶対に聴き逃すことはできないでしょう。
2017/9/30
こけら落とし【第九日】五十嵐薫子サロンコンサート(ピアノ)
最初から最後まで”ピアノの詩人”ともいわれたショパンの作品のみで構成された、今回のプログラム。
しかも、超難曲がそろったショパンのエチュードOp.10の練習曲集、全12曲を、なんと全曲を演奏するという…!
今まででもっとも濃く、挑戦的なプログラム。
ピアニストにとっては、大変な大変なプログラムなのです。
聴衆にとっても、有名な「別れの曲」「黒鍵のエチュード」「革命のエチュード」など、一度は聴いたことがあるショパンの珠玉の名曲がそろった練習曲集のため、聴き応えは十分。
今回は初めての試みとして、
「心、言葉、音楽、そしてコミュニケーション」
という当サロンのミッションにもとづき、ここにしかないコンサートにするべく
“トークイベント付き”コンサートを開催しました!!
お客様に音楽家さんと近くでコミュニケーションが取れる場としての初の試みです。
「音楽家さんがなぜ今日、このプログラムを選択したのか?」
「今後、どんな音楽家を目指しているのか?」
お客様からご質問を受け、音楽家さんがお応えしました。
やさしくほんわりと、人を包み込むオーラをもつ五十嵐薫子さん。
とても和やかな雰囲気で最初のトークイベントが行われました。
今回の挑戦的なプログラムについて、今後の目指す音楽家像について、彼女のお人柄に触れるようなアンサーをお聞きすることができました♪
演奏がはじまると、その演奏にひき込まれました。
ショパンの名曲の数々は、このエチュード(練習曲集)から生まれたのか…と体感!
ショパンが20代前半にリストに献呈された曲集だけあって、活力に満ちた難曲ばかり。
「滝」とも呼ばれるハ長調の華麗な分散和音の第1番からはじまり、
故郷、ワルシャワが陥落したとの報をきいたショパンの精神状態があらわれている第12番「革命」まで、ピンと張った集中力の糸が緩むことなく、一気に演奏!
エチュードOp.10を12曲、最初から最後まで全曲通して聴くことで、最後の革命の衝撃が違います。
そして後半は34歳のときのショパン円熟期の傑作、ピアノ・ソナタ第3番。
若かりし頃のショパンの作品と円熟期のショパンの作品で構成された今回のプログラムは非常に好評で
当然、終演後、客席からは盛大な喝采が湧き起こりました。
アンコールでのカルメンファンタジーでは生演奏ならではの彼女のその場の選曲に、会場をブラボーの嵐に…!!
五十嵐薫子さんのもつ”華”と、あたたかなオーラは抜群です!!
今後の彼女の活躍に目が離せません。
こけら落とし【第九日】五十嵐薫子サロンコンサート(ピアノ)
最初から最後まで”ピアノの詩人”ともいわれたショパンの作品のみで構成された、今回のプログラム。
しかも、超難曲がそろったショパンのエチュードOp.10の練習曲集、全12曲を、なんと全曲を演奏するという…!
今まででもっとも濃く、挑戦的なプログラム。
ピアニストにとっては、大変な大変なプログラムなのです。
聴衆にとっても、有名な「別れの曲」「黒鍵のエチュード」「革命のエチュード」など、一度は聴いたことがあるショパンの珠玉の名曲がそろった練習曲集のため、聴き応えは十分。
今回は初めての試みとして、
「心、言葉、音楽、そしてコミュニケーション」
という当サロンのミッションにもとづき、ここにしかないコンサートにするべく
“トークイベント付き”コンサートを開催しました!!
お客様に音楽家さんと近くでコミュニケーションが取れる場としての初の試みです。
「音楽家さんがなぜ今日、このプログラムを選択したのか?」
「今後、どんな音楽家を目指しているのか?」
お客様からご質問を受け、音楽家さんがお応えしました。
やさしくほんわりと、人を包み込むオーラをもつ五十嵐薫子さん。
とても和やかな雰囲気で最初のトークイベントが行われました。
今回の挑戦的なプログラムについて、今後の目指す音楽家像について、彼女のお人柄に触れるようなアンサーをお聞きすることができました♪
演奏がはじまると、その演奏にひき込まれました。
ショパンの名曲の数々は、このエチュード(練習曲集)から生まれたのか…と体感!
ショパンが20代前半にリストに献呈された曲集だけあって、活力に満ちた難曲ばかり。
「滝」とも呼ばれるハ長調の華麗な分散和音の第1番からはじまり、
故郷、ワルシャワが陥落したとの報をきいたショパンの精神状態があらわれている第12番「革命」まで、ピンと張った集中力の糸が緩むことなく、一気に演奏!
エチュードOp.10を12曲、最初から最後まで全曲通して聴くことで、最後の革命の衝撃が違います。
そして後半は34歳のときのショパン円熟期の傑作、ピアノ・ソナタ第3番。
若かりし頃のショパンの作品と円熟期のショパンの作品で構成された今回のプログラムは非常に好評で
当然、終演後、客席からは盛大な喝采が湧き起こりました。
アンコールでのカルメンファンタジーでは生演奏ならではの彼女のその場の選曲に、会場をブラボーの嵐に…!!
五十嵐薫子さんのもつ”華”と、あたたかなオーラは抜群です!!
今後の彼女の活躍に目が離せません。